僕の『肩書き』はザックリ言うと「エンターテイナー」なのですが、「エンターテイメントの中の、主に何を?」といった質問が飛んできて、これが少し困ります。

美術館建設や映画&絵本制作などなど、業務内容は多岐に渡っていて(30ぐらいのプロジェクトを同時進行でやっています)、僕自身、明日以降のスケジュールを把握できていません。

ですが、多くの人は、理解できないものに不快感を覚えるらしく、とにかく何屋さんなのかをハッキリさせたいようです。

僕は“自分が作りたくて作ったもの”を届ける為のマーケティングは徹底的にやりますが、他人から理解されたくて生きているわけではありませんので、複業を理解できない人がいるからといって、仕事を減らすようなマネはいたしません。
あくまで自分の表現が最優先です。

さて。
そんな中、昨日は『木の時計台』の制作に行ってまいりました。


こちらは、将来作ろうと思っている50メートルの『木の時計台』のミニチュア版。
いきなり50メートルサイズのものを作ってしまうと、後々とり返しのつかないトラブルが起きそうなので、まずはテストとして1/10スケールの『木の時計台』を作ります。


冒頭で「肩書き」の話をしましたが、この時計台制作は仕事でも何でもなく、地元・川西の同級生の西畠清順君から「何か面白いことをしようぜー」と声をかけられて始めた…「ボランティア」か「趣味」です。
『盆栽』と同じノリです。


鉄骨を組み、その鉄骨に本物の木を巻きつけていくわけですが、こちらの木は先日、サロンメンバーの皆と山に入って採ってきたもの(※入山許可はいただいております)。


時計台完成は2か月後を予定していて、植物が成長して2ヶ月にイイ感じになることから逆算して、植物を植えて、蔦を絡めていきます。


ウチの会社のスタッフも仕事そっちのけで泥だらけになって『木の時計台』を作ります。
「仕事」と「遊び」の境界線がバカになっているのは、僕だけではありません。


雨が降ろうが、「そもそも我々は何をやっているんだ?」という疑問が降ろうが、それら一切を払い除けて『木の時計台』制作と向き合う我々は一体何をやっているのでしょうか?


ただ一つ確かなことは、「かれこれ10年以上も、こんな(仕事なのか遊びか分からない)コトばっかりしているキングコング西野亮廣が今日も食いっぱぐれていない」という事実です。


よくよく考えてみると、世の中に炊飯器や掃除機や洗濯機や食洗機や電子レンジや冷蔵庫が出てきて、僕ら人類の仕事は減るはずだったのに減っていません。
僕ら人類は今、人類が生きていく上ではそれほど必要でもない仕事を半ば強引に作り出して、それほど必要でもない仕事の成果物を半ば強引に売っています。

そう考えると、「仕事なのか遊びなのかよく分からない仕事っぽい何か?」が存在するのは、極々自然なことのように思えてきます。
『木の時計台』に熱狂する人が多ければ、『木の時計台』制作が仕事になるわけで……大切なのは、「仕事なのか?遊びなのか?」という問いを立てることではなくて、「そこに熱狂を作れるかどうか?」で、熱狂を作るセンスを磨く為には、「ここに球を投げたら、人はどんな反応をするんだろう?」というテストを繰り返すしかありません。

皆が理解できる肩書きにハマった生活では、このテストはなかなか実施できません。
ウチのインターン生には、日頃、こう伝えています。
「とにかくやってみろ。そして、人が熱狂するラインを知れ」


時計台作りは、まだまだ続きます。


西野亮廣





【オンラインサロン】
毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
んでもって、ビジネス書に掲載するレベルのコラムを毎朝投稿しています。
興味がある方はコチラ↓

Instagramで楽しみたい方はコチラ↓