この世界に飛び込んだ時に、自分に課したルールは一つだけで、「引退するまでは体重を変えない」です。
このルールを守り続けるのが一番分かりやすくて、一番難しいと思ったので、これにしました。

そんなこんなで、デビュー当時から今も、毎日ジョギングをしています。
今だと、一日10㎞ぐらい走っています。

毎日ジョギングをしている人なら御理解いただける思うのですが、体重が『0.5キロ』増えたことぐらいは、体重計を頼らずとも、鏡などを見なくても、走れば分かります。
「あぁ、今日はちょっと重いな。0.5キロぐらい増えたな、こりゃ」といった感じです。

体重にコミットしている時間が長いので、体重を計る筋肉が発達したわけですね。


| 脳ミソも筋肉

同じことが脳ミソの中でも起きていて、たとえばバラエティー番組やお笑いライブに出まくっていれば、当然、『バラエティー筋』はつきますし、そこから軸足を抜いて「エンタメで世界を獲る」とか言い出して、絵本や映画や個展や美術館建設に時間を使えば、そっちの筋肉が発達して、『バラエティー筋』は確実に落ちます。

バラエティーに出て、「あぁ、去年の僕だったら、今の“フリ”はキチンと打ち返せてたな」と思う機会が少なくありません。
それはそれで寂しいですが、『表現者として自分がどこに時間を割いているか?』という問題なので、受け止めるようにしています。


自分は芸人の他に、『作家』もやっていて(けっこう売れっ子なんですよ)、『ビジネス』もやっています。
『ビジネス』と言っちゃうと定義がフワフワしちゃうので、もう少し細かく言うと、「人とお金の流れを計算して、次に、どんなエンタメを仕掛けて、それによって、今、手元にあるエンタメをいかに最大化するか?」を考えたりしています。

当然、作家業に入れ込んでいると『ビジネス筋』は落ちますし、ビジネス業に精を出すと『作家筋』は落ちます。
『絵本』と『ビジネス書』は使っている筋肉が違って、片方をとれば、もう片方は腐ります。

これもまた『どこに時間を使うか?』という話で、悩ましいところです。


| 分業すればいいんじゃねぇの?

こんな話をすると、「西野は作家業に専念して、ビジネスはビジネスのプロに任せればいいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、どうやら、そんな単純な話でもないようです。

たとえば、絵本を描く時に、絵本を横展開(グッズ展開や、美術館展開)した時のビジネスの流れをミリ単位で把握しておかないと、「横展開しにくいキャラクター」「横展開しにくいシチュエーション」を作家のエゴで描いてしまい、その後、「横展開しにくいキャラクターで横展開しなくちゃいけない」「横展開しにくいシチュエーションで横展開しなくちゃいけない」という落とし穴にハマってしまいます。

手持ちのエンタメの最大化を考えた時に、ここのロスは大きいので、絵本作家にしのあきひろは、こんな感じのシナジーマップを頭に叩き込んでおかなきゃいけないわけですね↓

一方で、時代の流れを読んで、あれやこれやと仕掛けるビジネスマンにしのあきひろは、今の時代に売らなきゃいけないものは『機能』ではなくて、『人』や『物語』だということを把握しているので、ビジネスのプロに任せて、コケないように経営されてしまうと、『人』や『物語』が消えてしまって具合が悪いもんですから、絵本作家に必要な『ストーリー筋』のようなものを持ち合わせておかなくちゃいけないんですね。

結論、今の時代は両方やらなくちゃいけないんです。

昨夜、コワーキングスペース『ZIP』で、一人黙々と小説を執筆していたのですが、ここ最近はビジネスに時間を割いていたので、それはそれはストーリー筋の低下と向き合う時間でした。

とても悔しいですが、歯をくいしばってやるしかないですね。
面白いエンタメが届けられるように、めちゃくそ頑張ります。
あなたも頑張って。

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