東京五輪の残念ニュースの波状攻撃に日本国民が悲鳴を上げている。
先日も、東京五輪の観戦チケットに「国際オリンピック委員会(IOC)の事前の許可なく、インターネットに配信することはできません」という恐ろしい規約があることが発覚し、国民を絶望させたばかりだ。
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四方八方から「運営がポンコツすぎる」という声が上がっているが、はたして、五輪運営陣は本当にポンコツなのだろうか?
批判する前に、少し冷静になって、想像していただきたい。
『判断ミス』で、ここまで悪手という悪手を片っ端から打ち続けることが可能だろうか?
| マークシートで0点を取るには、100点を取る能力が必要だ。
「確率(運)」というものがある以上、テキトーに解答しても、一定確率で正解が出てしまう。
すべて答えを外すには、すべての答えを知っておかなければならない。
そう考えると、すべてのアクションで片っ端から悪手を打ってしまう五輪運営陣は、悪手を打ってしまっているわけではなくて、「何らかの狙いがあって悪手を選んでいる」と考える方が自然ではないだろうか?
そして、今月24日。
東京都の小池百合子知事が、東京五輪に向けた暑さ対策を念頭に、『かぶる傘』を製作していることを発表し、全世界の度肝を抜いた。
これだ。
悪フザケとしか言いようがない。
国民からは「恥ずかしい」「麦わら帽子でよくね?」という声が噴出しているが、笑止千万。
我が国のスーパーエリート達が国民の血税を削り、会議に会議を重ねて導き出した答えが『かぶる傘』であり、『かぶる傘』こそが答え中の答えに決まっているのである。
麦わら帽子ではなく、『かぶる傘』でなければならない理由があるハズだ。
そこで今回、“時代を牽引する革命家”こと私、キングコング西野が、『かぶる傘』のイイトコロを懸命に考えてみた。
【かぶる傘のイイトコロ その①】
| 両手が使える!
『かぶる傘』の記者会見では、こういった説明があった。
直径60センチで熱や光を遮る効果のある素材を使う。内側のベルトで頭に固定し、両手が使えるメリットがある。
そうなのだ。
今回の傘は“頭にかぶるタイプ”なので、なんと、両手が使えるのである。
『かぶる傘』は肩幅ほどのサイズであるが、横殴りの雨が降っても問題ない。
なぜなら、両手が空いているので、プラスαで通常の傘をさすことができるのだ。
通常の傘をさす時に、かぶる傘が邪魔になるかもしれないが、問題ない。
そんな時は、『かぶる傘』を閉じて、もう片方の手で『かぶる傘』持ち歩けばいいんだ!
| 広告効果がスゴイ!
今回の『かぶる傘』の真の狙いは、その広告効果にある。
Twitterで『かぶる傘』をエゴサーチしたところ、次のようなコメントがズラリ。
「麦わら帽子で良くね?」
「勇気が必要じゃね?」
「ふざけてるの?」
「ダサい」
「ていうか、わざわざ開発しなくても、『かぶる傘』は昔からあるじゃん」
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「Amazonで売ってるよ」
「東京都のセンス、半端ねぇ!」
とにもかくにも、Twitter村は今、お祭り騒ぎだ。
『かぶる傘』をフックに、東京五輪の話題が大拡散しているわけだが、その広告効果は計り知れない。
今回、東京五輪の運営陣がかけた宣伝費は『かぶる傘』の試作品の制作費だけだ。
市販の『かぶる傘』に五輪のプリントをほどこした程度なので、制作費はせいぜい数千円といったところだろう。
たった数千円で、これだけの宣伝をしてしまうのは天才の所業と言わざるを得ない。
これが日本のエリートの仕事である。
わかったか、お前ら!
【かぶる傘のイイトコロ その③】
| 投票率が上がる!
「選挙に行こう!」とどれだけ呼び掛けようが、若者の投票率はなかなか上がらない。
我々が必死で納めた税金が、このようなギャグに使われるとなったら、お前ら庶民はきっと、こう思うハズだ。
「これは任せていられない。選挙に行こう!」
【魂の抜かれたプレイヤー①】
そうなのだ。
今回の『かぶる傘』騒動の本当の狙いは、選挙の投票率アップにある。
そんなことも分からずに、東京五輪の運営陣を嬉々として叩く庶民どもよ、いいかげん目を覚ましたらどうなんだ!
国のエリートが会議に会議を重ねた暑さ対策の答えが『かぶる傘』なわけがなかろうがっ!
暑さ対策なら、帽子で十分なことぐらい百も承知だバカヤロー!
新刊が出ました。
とっても大切な『お金』と『広告』と『ファン』について書かせていただきました。
東京五輪の運営スタッフさんは全員読んでください。
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今日は「物語の作り方」について書かせていただきました。
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