『チックタック ~約束の時計台~』は、12時の鐘が鳴る前の「11時59分」で針が止まってしまっている時計台の物語。
この物語を制作するにあたって、「挑戦が報われるまでに味わう時間」について、何度も何度も考えました。

僕自身、何年間も日本中からバッシングを浴びたものですから、挑戦者が負う痛みを知っていますが、まぁ、気持ちの良いものではありません。

もし、あなたが今、その渦中にいるのなら、少しだけ話を聞いてください。


今、あなたのもとには、シンプルな批判の他に、「キミのことを思って言っている!」というスタンスで頼んでもいないアドバイスが飛んできているかと思いますが、驚いたことに、あなたにアドバイスをした彼らはその後の責任を一切とりません。

彼らのアドバイス通りに動いて、あなたの人生が傾いてしまっても、彼らは知らんぷりです。
アドバイス通りに動いて、貧乏になっても、彼らは、あなたの生活を支援してくれません。

あなたの人生のハンドルをファッション(気分)で握ったからです。
言い方を少し変えると、あなたが、あなたの人生のハンドルをファッションで握らせたからです。


んでもって、ここからが本題なのですが……


努力が報われるまでは、やっぱり時間がかかります。

その間、
謂れのないバッシングも浴びますし、
「自分の姿が誰にも見えていないんじゃないか」と思えるほどの静寂も味わいますし、
一人、また一人と…自分の元から人が離れていく瞬間に立ち合うことになるでしょう。

ここで少し、僕の話をさせてもらいますね。




今から12年前。

0.03ミリのボールペン一本を握りしめて、一人で絵本を描き始め、そろそろ出版社を決めなきゃいけなくなった時に、マネージャーが勝手に(よかれと思って)絵本が強い出版社に話を持っていったんです。
その時、その出版社から言われたのは…

「子供はカラフルなものが好きだし、描き込み量が少ないものが好きなので、ウチで出すのなら、少し修正してもらいます」

という言葉でした。
要するに、「0.03ミリのボールペン1本で描かれた僕の作品はウケない」ということですね。
世の中のリクエストに応える為に絵本作家になったわけではないので、勿論、お断りしました。

その後、今のチーム(幻冬舎の舘野さんと袖山さん)と出会い、絵本の構想を訊かれたので、一から全部お話ししたら、「西野君の好きなようにやってくれたらいいので、ウチで出させて」と言われ、幻冬舎から出させてもらうことにしました。

そして、自分の好きなようにやった結果、どうなったかと言うと、全然売れなかったんです(笑)
僕の作品に修正を求めた最初の出版社の言ったとおりでした。

その後、『えんとつ町のプペル』がヒットするまでの10年間は絵本作家としては不遇の時代を過ごすことになったわけですが、でも不幸だとは思ったことは、ただの一度もありませんでした。

自分で選んだ道だからです。

結果が出ない時間帯を過ごしていることに対して、納得ができたわけですね。
ただ、もしそれが、アカの他人にハンドルを握らせた結果であれば、まるで納得ができないでしょうし、きっと、ファッションでハンドルを握ってきた人を恨むことに時間を費やしてしまっていたかもしれません。

僕らの時間は誰かを恨むことにあるわけではなくて、僕らの未来の為にあるハズです。
というわけで、そろそろ話をまとめさせていただきますと…

自分の判断を信じた方がいいと思います(*^^*)

「自分の判断が必ず正解だから」という理由じゃなくて、自分の判断が間違っていた時に納得できるから。
こんなことを言うと大人に怒られるけど、他人のアドバイスは話半分ぐらいで聞き流しておいて、自分の判断に従った方がいいと思います。
「耳を傾ける」のと「鵜呑みにする」のは、まったく別だと思っておいたほうがいいかもです。


あの日、自分の判断に従ったせいで、僕らは随分遠回りをしてしまったかもしれませんが、結構楽しかったし、これからも楽しそうです。

あなたの挑戦を応援しています。
頑張って。


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