TOYOTAさんから新型『クラウン』のラッピングカーのデザインの依頼を請けた時に、真っ先にオンラインサロンメンバーに報告しました。
本来、こういった案件には『情報解禁日』なるものが設けられて、その日までは内々で話を進めるものなのですが、TOYOTAさんからも「2万人のオンラインサロンメンバーと一緒に作りましょう」と言っていただいけたのですが、そこには「もう、制作段階からお客さんを巻き込んだ方がいいよね」という判断がありました。
一昨日はオンラインサロンメンバーと共に、閉館後の日本橋三越本店でシークレットパーティーがあり、昨日は、オンラインサロンメンバーと共に『えんとつ町のプペル美術館』の敷地に柵を作りに行きました。
エンターテイメントは今、『受け取り型』から『参加型』、そしてついには『発信型』へと姿を変えました。
お客さんが「作ること」に価値を見出だし始めたのです。
「サグラダファミリアを観に行くより、サグラダファミリアを作る方が楽しくね?」といった具体に。
全員クリエイター、全員オーディエンスの時代です。
SNSで誰でも情報を発信できるようになったので、当然の進化だと思います。
『えんとつ町のプペル美術館』を作ることを決めた時に、銀行から「美術館の完成日はいつですか?」と訊かれました。
翻訳すると、「美術館の売り上げは、いつから発生するの?」という意味です。
僕は、
「制作の過程をオンラインサロンで販売しているので、『えんとつ町のプペル美術館』の売り上げは、すでに(毎月)発生していますよ。むしろ、美術館がオープンしたら、美術館の売り上げ自体は落ちます」
と返事をしたのですが、まるで伝わりませんでした。
「へ? まだ、土地も無いのに、なんで美術館の売り上げが発生するんですか?」と訊かれたので、「プラモデルやパズルを買ったことはありますか? 」と返しましたが、まるで響きませんでした。
『完成したモノを受けとるエンタメ』と、『完成させるエンタメ』の時代の差を強く感じた出来事でした。
「完成してしまったら価値が落ちる」という価値観が世間に浸透するのは、まだまだ先になりそうです。
ですが、昨日。
「西野さん。プペル美術館のトイレ、どこに作ろうか?」と小学生から相談されて、おもわず笑ってしまい、そこに未来を見ました。
まるで砂山を作るようなノリで美術館を建設する子供達。
中には、家からバケツとスコップを持ってきた子もいました。
彼が作っているのが『えんとつ町のプペル美術館』です。
数年後、きっと彼は“自分が作った美術館に”お客さんとして足を運ぶことでしょう。
そして、その時は胸を張って言って欲しい。
「この美術館は、ボクが作ったんだよ」
『西野亮廣エンタメ研究所』は、そんな未来をサポートしていきたいと思います。
☆エンターテイメント最前線