絵本最新作『チックタック ~約束の時計台~』のモデルとなった舞台は二つあります。


一つは僕の生まれ故郷「兵庫県川西市」。

生々しい話をすると、絵本の個展というのは、新刊の販促(一人でも多くの人に新刊が届ける活動)としてと行う側面もあるのですが、それだったら、単純に人口の多い『東京』で開催した方がいいです。
ところが、個展の最初の開催場所は「兵庫県川西市」にさせていただきました。

「恩返し」というと、押しつけがましくなっちゃいますが、やっぱり故郷には、それなりの想いがあるので。
故郷が好きです。
川西で生まれて、
川西で育って、
川西で夢を見ました。



五月山でUFOを見て、
宇宙に胸を踊らせました。
ビックハープ(新猪名川大橋)ができたのは、その後です。


満願寺は「金太郎の墓がある」を前面に押していましたが、子供の頃の僕の胸を踊らせたのは『飛び地』の存在でした。
お隣の「宝塚市」の中に、「川西市の満願寺」があったのです。



「いつかは故郷・川西を描こう」と思っていて、今回、ようやく叶いました。
この作品をキッカケに、川西に興味を持ってくださる方が増えたら嬉しいです。


そして、もう一つ『チックタック ~約束の時計台~』モデルとさせていただいた場所は『ラオス』です。

昔、この国にはたくさんの爆弾が落ちました。
今でも、地雷や不発弾の事故が続いています。


僕はエンターテイメントに命を捧げているのですが、エンターテイメントは平和の上に成り立っています。
戦争が身近にある国や、治安の悪い国に行くと、毎度思うのは、皆、「愛と平和」を日常で求めています。

一方で、日本で「愛と平和」を口にすると「意識高い系」と嘲笑されてしまいます。
生まれた時から「平和」だった僕らは、それが当たり前で、平和が崩れた世界を想像するのが得意ではありません。



いろんな国を見てきて、
いろんな文化を見てきて、
あらためて思うのは、こんな毎日が当たり前ではないということ。
僕は、エンターテイメントを通じて、そのことを伝えていきたいと思いました。




ときどき、「ディズニーを超えたら、次は何をしたいですか?」という途方もない質問を受けることがありますが、答えは決めています。

戦争を終わらせたいです。

僕が生きている間に必ずやります。