毎度お騒がせしておりますキングコング西野です。
現在、僕の地元「兵庫県川西市」を盛り上げるべく、クラウドファンディングに挑戦中です。


そのクラウドファンディングのリターンで、『館長日記』というものがあります。
説明欄にありますとおり、『えんとつ町のプペル美術館』が完成するまでの汗と涙の日々を綴った僕の日記です。
(※今回のクラウドファンディング終了後にコチラから購入者様に連絡させていただき、グループに招待させていただきます)

とはいえ、『えんとつ町の美術館』は、まだ着工していないので、このままだと地味な日記になってしまいます。
というわけで、5月に発売予定の『魔法のコンパス』の文庫版の原稿を、この『館長日記』にドバドバとアップしていっています。
『魔法のコンパス』は2016年ぐらいに出た本なのですが、今回、文庫化するにあたり「さすがに3年前の内容をそのまま小さくしてお届けするわけにはいかないだろう」となって、ゼロから全て書き直しています。
したがって、文庫版は、まったく別の一冊です。

館長日記』のリターンでは、この文庫版の原稿(編集者さんのチェックが入る前の生々しい文章)が見れるわけですね。

とはいえ、それがどんなものなのかが分からないと、リターンを選ぶに選べないと思うので、今日は、『館長日記』にアップしている『魔法のコンパス』の文庫版の原稿の一部を紹介したいと思います。

館長日記』は、こういうものが2~3年間読める日記です。
それでは、どうぞ↓

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魔法のコンパス(文庫版)より
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第1章①「『本業』とは何だ?」
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これから何かの職に就く人も、今現在、何かの職に就いている人も、今の時代を生きるのならば、あらためて『本業』について考えた方がいいと思うよ。

最近、「働き方改革」とか何とかで、いろんな会社が『副業』を解禁し始めてるじゃない?

僕らの中にある『本業』と『副業』の定義は、なんとなく「本業=メイン収入」「副業=お小遣い稼ぎ」みたいなところに落ち着いているよね。

副業解禁の号令は、「空いている時間で小遣い稼ぎをしてもいいですよー」といったところかな。

結論から言うと、もしキミがこの感じで「本業=メイン収入」「副業=お小遣い稼ぎ」と捉えていると、この先、結構厳しい戦いになってくると思う。

どういうことか説明するね。


例えば、僕は、こうして作家の顔も持っている。

これまで、絵本やビジネス書を数冊出させてもらっていて、累計発行部数が100万部を突破しているので、そこそこ売れっ子の作家さんなのかもしれない。
こんな話をすると、「てことは『印税』もメチャクチャもらってんじゃないの? いいなぁ」と思うよね?

たしかに僕は『印税』をいただいているけど、だけど、いただいた印税は全て新刊の広告費に充てているんだ。



新聞の一面を買ったりしてるんだけど、これは出版社が買ってくれたわけじゃなくて、僕個人で買ったし、新宿駅の巨大看板も、『ゆりかもめ』を新刊の広告でジャックしたのも、僕個人のお金。



新世界新世界
1,430円
Amazon

当然、この調子で広告費を使っていると、本の印税なんて跡形もなく消し飛ぶ。

そこそこベストセラーを出しているんだけど、僕の手元には印税が残ってないんだ。

西野亮廣は、どうして、こんなバカなことをしているんだろう?

少し嫌らしい話になるけど、そのカラクリを全部喋るね。

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『ノベルティー』という考え方
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僕の本(特にビジネス書)の最後には、決まって、オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の案内が入っている。

オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』とは月額1000円の会員制コミュニティーで、絵本やWebサービスや美術館など、僕が世の中に発信するエンターテイメントは、全て、ここから生まれているんだ。

オンラインサロンでは、毎朝(本当に毎朝)、僕が今やっているビジネスの記事を投稿していて、メンバーは朝刊を楽しむように読んでくれている。

勿論、このオンラインサロンで集まったお金も、これまた全額エンターテイメント(たとえば美術館建設費用など)に投資するんだけど、いずれにせよ、本の印税をいただくよりも、印税を本の広告費にまわして、一人でも多くの人に本を届けて、そしてサロンメンバーが増えた方が僕の取り分は大きくなる。

起業家がビジネス書を出す時は、だいたいこのパターンだ。

自社の宣伝になるような本を書き、その本の印税を全額広告費にまわして、一人でも多くの人に自社の顧客になってもらう…というカラクリ。

『ノベルティー』って知ってる?

ノベルティーというのは「企業が自社の商品や宣伝を目的として、それらの名称を入れて無料配布する記念品」のことなんだけど、僕や起業家さん達は、自分が書いたビジネス書をノベルティーとして捉えている。

つまり、僕やビジネス書を書く起業家さん達は『作家』ではなく、『ノベルティー作家』だ。

世の中には本の印税で生きている『作家』と、自社のサービスを書いた本の印税を宣伝費にまわして、自社のサービスのお客さんを増やしている『ノベルティー作家』がいる。

こうなってくると、「本業=メイン収入」としてしまっている『作家』さんは、かなり分が悪い。

『ノベルティー作家』は、そもそも本の印税で食っていっているわけではないので、食っていく為に本を書く必要はなく、書きたくて書きたくてたまらなくなった時にだけ書いているので、作品の熱量が高い。

くわえて、その作品に「広告費」が出せる。

印税が生活費になっている作家さんは広告費を出すことができない。

ここが、本業をメイン収入にしている人の弱点だよね。

これは何も作家さんに限った話じゃないよ。

たとえば、テレビギャラをメイン収入源にした「テレビに出なきゃ食っていけないタレント」と、○○の宣伝になるのであればテレビギャラなんて1円も要らない「テレビに出なくても食っていけるタレント」は、どっちが強いかな? 

「より良い条件でテレビに出られるのはどっちか?」を考えると、おのずと答えは出てくる。

もうキミの中で答えは出てるよね?

僕の場合だと、数年前には存在しなかった『オンラインサロン』というものが世に出てきたから、「あれれ? 印税を貰うよりも、印税を広告費に充てて、サロンメンバーを増やした方が…」となったわけじゃない?

こんな感じで、『オンラインサロン』のように、これまでに存在しなかった収益化装置が、今、どんどんどんどん出てきているから、僕たちが向き合わなきゃいけないのは、「本業をメイン収入にしていいのか?」という問い。

「豆腐屋さんが豆腐の売り上げで店を回すことが、はたして、その店にとっての正解なのか?」というね。

今、キミが何の職に就いていて、この先、どんな職に就こうと思っているのか、僕は知らないけれど、その職に就いたキミの収益ポイントが果たしてそこで合っているのかどうかは、常に問い続けた方がいい。

もう十分理解できていると思うので、次の話に進むね。




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こんな感じで、『館長日記』を連載しておりますので、興味がある方は是非!

てなわけで、今日も一日頑張りましょう。
僕はこれからオンラインサロンの記事を書いてきまーす。
でわーー!

【オンラインサロン】
毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
んでもって、ビジネス書に掲載するレベルの記事を毎朝投稿しています。
今朝は「正しい努力」というテーマで記事を投稿させてもらっています。
興味がある方はコチラ↓