毎度お騒がせしております。
キングコング西野です。


添付した写真は、カメラを向けると、子育てを終えたお母さんのようなポージングを決めるマネージャーの須藤君で、今回の記事とは何の関係もございません。

さて。

タイトルで申し上げましたとおり、僕が運営するオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の会員が1万6000人を突破しました。
たぶん、国内最大だと思います。

そんな中、Twitterなんかを見ていると、「西野のサロンに興味はあるけど、どう活かしていけばいいのか分からない」というコメントを目にするのですが、べつに活かさなくていいてす。毎朝の記事を読んでください。
…とだけ申し上げておきます。

言ってしまえば、『西野亮廣エンタメ研究所』はエンタメ制作の裏側公開なので、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のメイキング映像みたいなものです。

「パイレーツオブカリビアンのメイキング映像を見たけど、どう活かしていけばいいか分からない」とは言わないでしょう?

とは言っても、毎朝どんな感じの記事が投稿されているかは、サロンに入ってみないと分からないので、今日は10月30日に『西野亮廣エンタメ研究所』に投稿した記事をコチラで公開したいと思います。
 
※本編では「『めちゃイケ』のバランスが崩壊した原因」についても言及しているのですが、それをブログで書くと、途中を切り取られて、誤解を招くようなネットニュースにされてしまうので、コチラでは割愛させていただきます。

それではとうぞ↓

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【テーマ】
「キャラクターと背景の黄金率」と「VR展開を見越した背景の作り方」について
2018.10.30 (投稿者)西野亮廣



おはようございます。
「人がミスをした時は『怒る』のではなくて、『叱れ』!!」とメチャクチャ怒ってしまったことがある西野です。

今朝は、『「物語を作る時のキャラクターと背景の黄金比率」と「VR展開を見越した背景の作り方」』について、お話ししたいと思います。

絵が入る物語(漫画や絵本や映像)を作る場合、まず考えなきゃいけないのは、“お客さんの視点の動線”です。

こちらの狙いとしては「①→②→③」の順番で構成しているのに、「②→③→①」の順番で見られてしまってはドッチラケになってしまうので、自然と「①→②→③」の順番で見てしまうように視点の動線をデザインすることが大切です。

「今はココを見てっ!」というやつですね。

視点の動線の作り方はいくつかあると思うのですが、一番分かりやすいところでいうと、「メインキャラクター」と「サブキャラクター」の比率ですね。

登場人物すべてに全力を注ぐと、お客さんの視点が散ってしまうので、「悟空:ピッコロ:ヤムチャ=6:3:1」として、悟空の登場時に、お客さんの「いよっ!待ってました!」感が発生するようにデザインすることが大切です。

そんな感じでキャラクター間でも「視点の動線を作る上での理想の比率」があって、当然、「キャラクター」と「背景」の間でも、理想の比率があります。

「めちゃくちゃ強いキャラクター」と「めちゃくちゃ強い背景」を一枚の絵にガッチャンコさせてしまうと、画面がガチャガチャして、目が散ってしまいます。

実は次回作『チックタック ~約束の時計台~』がそれで、キャラクターが完成して、背景が完成した時に、その二つをガッチャンコさせたところ、「ラーメン&ステーキ」みたいな内容になってしまい、感想としては「どこを見ればいいの?」でした。

こればっかりは仕方がないので、スタッフさんに鬼謝罪をして、仕上げてもらったキャラクターを全てボツにして、今、ゼロから自分で描いています。
『チックタック ~約束の時計台~』は「キャラクター:背景=3:7」ぐらいにしています。



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キャラクターと背景は「3:7」ぐらいがイイ!
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キャラクターを見てもらうだけなら、ぶっちゃけ、キャラクターと背景は「9:1」でいいのですが、時代は『体験型(お客さんが主人公になれる場)』を求めていて、その時、その空間が『1』では人が集まりません。

つまり、「『ノンタンといっしょ ~リアル脱出ゲーム~』はコンテンツとして成立しない」という話っす。

僕が大好きなチームラボは、キャラクターと背景の比率が「0:10」で、体験型としては楽しすぎるのですが、しいて弱点をあげるとするのであれば、キャラクタービジネス(グッズ)展開ができないところでしょうか。

ただただ、そんなことは百も承知での挑戦だと思うので、僕はチームラボが好きです。
(本当に大好き!)

チームラボのストロングポイントとウィークポイントについては、今度、少人数で呑んだ時にでもお話しします。


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VR展開を狙うなら背景は…
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昨日、開発中の『えんとつ町のプペルVR』を体験させてもらったのですが、これが最高で、そもそも『VR化』の話をいただけたのは背景(えんとつ町)が『7』であるからなんですよね。

「この町の中を歩いてみたい」があるから、『VR化』の話になるし、『えんとつ町のプペル美術館』の話になる。

作品のグッズ展開を狙うなら、そりゃキャラクターが強い方が良いですが、体験型展開を狙うなら、背景にインパクトを持ってこなければなりません。

そのちょうど良い比率が「3:7」ぐらいじゃねぇかなぁ、というのが現時点での僕の結論です。

んでもって、VR化を狙った時の背景(世界観)の作り方ですが、VRの特性を活かすには、当然、現実世界では体験不可能な体験ができる世界の方が(VR需要が生まれて)良いです。

『えんとつ町のプペルVR』では、手すりも何もない煙突の上に立つのですが、もう落ちそうで落ちそうでメチャクチャ怖いんです。

この「落ちそうで怖い」は現代では体験できないので(崖ですら柵がある)、VR化を見越した背景を作る場合は、「かなり落差のある縦移動ができる世界」をデザインすると、VR界隈からは喜ばれるかもしれませんね(*^^*)

2次展開どころか、3次展開、4次展開、5次展開まで見越して作品を作ると、作品の寿命が伸びる(作品が愛される時間が増える)ので、やってみてくださーい。


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毎朝こんな感じの記事を投稿しています。