おはようございます。
キングコング西野です。

すごくイヤ~な表現になってしまいますが、事実なので、書かせていただきますね。

以下は、ボクと世間の伝統芸の一例です。


【西野】
絵本を全ページ無料公開する
【世間】
「そんなことをしたらクリエイターが食いっぱぐれるだろ」と批判する
【西野】
「無料公開した方が売り上げが伸びるので、クリエイターは助かりますよ」と説明する
【世間】
「お金を貰って働いている人間をバカにしているのか」と批判する
【西野】
説明が面倒くさくなる

━無料公開した絵本の売り上げが伸びる━

【世間】
だまる
【西野】
「…ホラ」 
【世間】
ポツポツと自分の作品を無料公開し始める。同時に、無料公開を批判していた人達が消える。
【西野】
「…マジかよ」


『えんとつ町のプペル』の無料公開を例にあげましたが、だいたいいつも、この流れです。

「炎上商法」とよく言われるのですが、個人的には、「炎上も何も、本来燃えるものでもない素材に、あなた方が感情にまかせて勝手に燃やして、勝手に騒いで、勝手に後悔しているだけじゃん」
と思っています。

もちろん、1ミリも反省しておりません。
むしろ、
「乱暴に燃やしたことを、一回、謝ってくれねーかなぁ?」
ぐらい思っています。



ところで。

最近、キングコング西野って炎上してないと思いません?

そういえば、炎上してないですよね。
ついに西野が大人になったのでしょうか?
ついに西野が丸くなったのでしょうか?



いいえ。


「無料公開した方が売り上げが伸びるので、クリエイターは助かりますよ」と説明する

のクダリが面倒臭いし、ただただ時間の無駄なので、自分が今考えている一番面白い(一番新しい)ことを、世間に放り込むのを辞めたんです。

かわりに、自分の考えや行動や全てオンラインサロンにブチ込んでいます。


切り取りハラスメント(悪意のある編集)に遭うこともないし、余計な説明も要らないので、アクセルをベタ踏みすることができます。

2~3年後のスタンダードを世間に投げると炎上させられますが、オンラインサロンに投げると「なるほど」と話が前に進みます。

自分の考えを公開のSNSに投げるのは、まったくもって時間の無駄と結論したわけですね。

オンラインサロンは僕が本気を出してもいい世界だったので、毎日、オンラインサロンに入り浸っております。

今、ボクのオンラインサロンでは、まったく別次元の地球を作ったり、テーマパークを作ったり、通貨のようなものを作ったりしています。

これをそのまま世間に投げると、旧態依然たる世間からタコ殴りにされるのですが、どっこい、未来はそこにありまして、世間に投げるよりも、オンラインサロンに投げて実現に向けて動いた方が、少しでも早く未来を迎えに行けるので、そうしております。

11月に出る新刊『新世界』では、僕が現在進行形で取り組んでいることを書かせていただいております。
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とは言え、いきなりフルスロットルで書き始めてしまうと読者がビックリすると思うので、第1章『貯信時代』は、これまでの復習です。

『魔法のコンパス』や『革命のファンファーレ』を読まれた方は、第1章は読まなくて大丈夫です。
ボクのブログを毎日読まれている方(そんな人、いるのかな?)も、第1章は読まなくて大丈夫です。
すでに知っていることしか書いてねーです。

本題は、第2章『オンラインサロン』からです。

今日は『新世界』の第1章に掲載する予定の原稿のラフの一部を公開しようと思います。
以前、ブログにも書いた『クラウドファンディングの誤解について』です。
※掲載する際は、皆さんの反応を見て、原稿を書き直します。

それでは、どうぞ。

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『無知が摘む未来』(『新世界』より)

 

 2018年の7月、近畿大学の学生が立ち上げた『スラム街の暮らしを肌で感じたい!』というクラウドファンディングの企画が大炎上。

  週3で炎上している炎上王子のボクから見ても、あれは、なかなかの火力だった。
あまりの燃えっぷりに、企画が中止に追い込まれたほど。

 
企画は、「クラウドファンディングでお金を集めて、スラム街の生活を肌で感じ、そこで得たものを、スラム街の子供達や、自分の人生に還元したい」というもの。

この企画には、こんな批判が上がった。

 

「自分の金でやれ!」

 
これについて、キミはどう考える?

もし、ここでキミが「そうだそうだ! 自分のやりたいことなんだから、クラウドファンディングを利用せずに、自分の金でやれ!」と思っていたら、その気持ちはすごく分かるけど、ちょっとマズイかもしれないね。

 

 ボクには、この本を選んでくれたキミを未来に届ける責任があるので、この件について、ちょっとだけ話を聞いてください。

 
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『自分の金』ってナニ?
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クラウドファンディングで立ち上がった企画に対して、「自分で働いて稼いだ金でやれ!」っていう批判って、本当に多いんだよね。

 ボクが5〜6年前にクラウドファンディングで「ニューヨークでの個展開催費用」を募った時も、同様の批判を浴びた。

「自分の金でやれ!」

きっと今日も各地のクラウドファンディングでこの声が上がっている。

 

みんなが言う『自分の金』って何なんだろう?

察するに、それは、労働(サービス)提供の対価としていただいたお金のことを指してるよね?

 

カラオケのアルバイトで得た給料は『自分の金』だし、
自分の知識をメルマガに綴って得たお金は『自分の金』だし、
芸人がテレビやライブでエピソードを語って得たギャラも『自分の金』だ。

ここまでは、いいよね?

 

じゃあ、『予約販売』はどうだろう?

 

事前にお金を集めて、そのお金を使って、商品やサービスを提供することで、在庫のロスを無くす『予約販売』。

 こちらも、「サービスを提供してから、お金を貰う」から「先にお金を貰ってから、サービスを提供する」という順番の前後はあるけど、やっぱり、商品やサービスの対価としてお金を受け取っているので、そこで(予約販売で)得たお金は『自分のお金』と言えるよね。

 

ちなみに、ライブやコンサートも『予約販売』です。



「チケットぴあ」等を利用して、先にお金を貰って、そのお金で出演者さんのギャラやスタッフさんのギャラが支払われ、数ヵ月後にお客様にサービス(ライブ)が提供されているわけだ。

 

この時点で、

「予約販売で商品(サービス)を売って生活していくなんて、許せない!! 自分の金で生きろ!!」

とキミが言うのなら、ただちに、この本を叩き割って、本の割り方を教えて欲しい。
(本って割れるの?)

 
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大学生がクラウドファンディングで集めたお金は『自分の金』ではなかったのか?
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ポイントはココだよね。

 

押さえておかなければいけないのは、今回、近畿大学の学生が仕掛けたクラウドファンディングが『購入型』であったということ。

 

クラウドファンディングには、いろいろ種類がある。

寄付型のクラウドファンディングだとか。
購入型のクラウドファンディングだとか。

このうち、寄付型のクラウドファンディングは、「支援していただいたお金は、プロジェクトに丸々使わせていただきま〜す」というルール。

 

一方で、購入型のクラウドファンディングには、「○○円支援してくださったら、△△をお返しします」という明確なリターンがある。
支援額に応じた見返りがあるんだ。知ってた?

 
今回だと、こんな感じ。

 

 

 リターン①(4000円)
【内容】
・現地に行って必要だと思った持ち物、現地の物価、交通の便、観光地、個人的にお勧めする場所、お店など今回の旅で得た情報をまとめた旅日記を公開させて頂きます。

 

 

 リターン②(1万円)
【内容】
 ・実際に会って今回の旅の体験談を話します。
 ・支援者限定のFacebookグループにご招待(旅の様子を写真や動画でお伝えします)

 

 

それぞれのリターンを短くまとめると…

 

①『今回の旅で得た情報を文章に起こして販売』

②『今回のエピソードが生で聞ける場を販売』

 

えっと、これって……メルマガで文章を販売することや、芸人がトークライブのチケットを販売することと何が違うのかな?

どっちも、情報(体験談)を売っているし、どっちも予約販売じゃない?

 

どうして『チケットぴあ』を使って集めたお金は『自分の金』になって、『購入型のクラウドファンディング』を使って集めたお金が『他人の金』になるんだろう?

 
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購入型のクラウドファンディングは『予約販売』だ。
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まず、『寄付型のクラウドファンディング』と『購入型のクラウドファンディング』の区別がついていないんだろうね。

区別がついていないどころか、クラウドファンディングに、そんな種類があることすら知らない人がほとんど。

 

以前、俳優の山田孝之さん(大ファンです)が自身のブランドの商品を『購入型のクラウドファンディング』を使って〝予約販売〟をしたところ…

 「芸能人で金を持っているんだから、自分の金でやれや!」
「ひどい! そんな人だとは思わなかった!」

 
という批判が起こって、大炎上。

芸能人って、予約販売しちゃダメなんだっけ?

それがアウトなら、オフィシャルグッズの先行予約販売はアウトになっちゃうよね。

 ライブタオルを先行予約販売しているミュージシャンに対して、「自分の金でやれや!」ってキミは言うかな?

 

ちなみに。

クラウドファンディングで集まったお金が『収入』扱いになることは知っていた?

プロジェクトオーナーは、プロジェクトに集まったお金から、国に『税金』を払っているんだよ。

 

つまり。

国や法律は、「クラウドファンディングを『仕事』として扱っているんだ。

 仕事の対価としていただいたお金に対して「自分の金でやれや」とは言わないじゃない?
 今回の批判は、ものすご〜く的外れなんだ。
「炎上=悪いコト」と結論しちゃダメだ。

 炎の中にある本質を見るんだよ。

 

あらためて。

ここでボクがキミに伝えたいのは、「批判をするな」ということじゃない。

「批判をするのなら、これら全てを把握した上で批判した方がいいと思うよ」

ということ。
自分が理解できないものを批判してしまうとね、未来の自分の首を絞めることになってしまうんだ。

 

あの時。

クラウドファンディングで「スラム街に行く企画」を立ち上げた大学生に対して、もしキミが、


「自分の金でやれ!」

 
と世間と一緒になって大声で批判していたら、批判した手前、もうキミの人生から「クラウドファンディング」という選択肢が無くなってしまう。

 
たとえば、3年後。

キミの母ちゃんが倒れて、多額の手術費用が必要になったとしても、「自分の金でやれ!」と他人を批判してしまったキミには、「クラウドファンディング」は使えない。

キミの母ちゃんが助かる可能性を、あまりにも無知で、感情だけで批判してしまった過去のキミが奪ったんだ。

 
いいかい?

理解できないものを批判することは簡単だ。

でもね、
キミの未来を守りたいのなら、
キミに守りたいモノがあるのなら、
今のキミが理解できないものを批判しちゃダメだ。

理解できないものがキミの目の前にきたら、その時は、理解する努力を選ぶんだよ。

 

今日からやれるよね?
キミならやれるよ。


              -最新刊『新世界』より

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