いつも、すみません。
キングコング西野亮廣です。

タイトルからお察しのかもしれませんが今年の11月に『新世界』というタイトルのビジネス書をKADOKAWAさんから発売させていただくことになりました。

※表紙は、まだ撮影していないので、今はこんな感じです↓
新世界新世界
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さて。
この新刊『新世界』ですが、今回は今、大変な盛り上がりを見せているコミュニティー(オンラインサロン)について言及しています。

一応、生意気ではありますが、現在国内最大のオンラインサロンを運営させてもらっていて、
「オンラインサロンとは何ぞや?」
「オンラインサロンを運営していく為には?」
「そもそもオンラインサロンを始める為には?」を語らせたら、そこそこ説得力のある方だと思います。

これは断言してもいいですが、少なくとも表現者は、オンラインサロンのようなダイレクト課金収入がないと今後は生きていけません。
広告収入のみで生きていける時代は終わりました。

だからと言って、「じゃあ、今日からオンラインサロンを始めてみるっぺ」と言って始めて上手くいくほどオンラインサロンは甘くありません。
さきほど、「今、大変な盛り上がりを見せているオンラインサロン」と言いましたが、今、ほとんどのサロンでは会員数が落ち込んでいます。

オンラインサロンを運営していくには、基礎知識として、お金の正体と人間心理を頭に叩き込んでおかなければなりません。

だからと言って小難しい話を始めても、興味を持てないと思うので、新刊『新世界』では、僕が芸能生活のスタートをきった大阪の『新世界』という街から話を始めさせてもらっています。

地位も名誉も貯金もない。
ただ大きな夢だけを持って飛び込んだ世界で見た現実と挫折と迫害。
そして目を背け続けてきた「お金」の問題と、それによって逃し続けてきた可能性。
守ってやれなかったコトや人。

毎日、メチャクチャ殴られたけれど、それでも続けたことで見えてきた新しい世界。
確実にやってくる2~3年後の未来の話。

最初の一歩が踏み出せないキミに、今は、どうしてもこの話を届けたくて書きました。
歩く場所が分かれば、歩けると思うので。

ここでグダグダ言っていても、本の内容がよく分からないと思うので、今日は、編集者さんのチェックが入る前の「はじめに」の原稿をボクの独断で公開しようと思います。

もちろん、ここから書き直しますが、「はじめに」では、だいたい、こんな感じのことを書きます。興味が湧いたらAmazonでポチってください。

「ポチるのは今度にする」という方はシェアしてください。
両方してくださったら僕は仔猫のようになつき倒します。
宜しくお願い致します。


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それでは、新刊『新世界』の「はじめに」です。
どうぞ↓





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《はじめに 全文》



ベランダから上を見れば通天閣があって、下を見ればヤクザとホームレスと、身体を売っている年齢性別不詳の何者かが立っている。

『新世界』という街だ。

「1年で売れなかったら芸人を辞める」
という約束で、高校卒業と同時に兵庫県の田舎町を飛び出し、この街で独り暮らしを始めた。
503号室に住んでいて、玄関には『エドウィン』という落書きがされていた。
家賃は4万円。 

実家はサラリーマン家庭で、兄ちゃんと姉ちゃんとボクと弟の4人兄弟。
上の子二人を大学に送り込んだ西野家には、仕送りをする余裕なんてありゃしない。
1年という制限時間をアルバイトに割くわけにもいかず、生命線は高校時代に貯めた僅かな貯金。

地元の仲間が「つらくなったら、いつでも帰って来いよ」と盛大に送り出してくれたけど、盛大に送り出してくれた手前、結果を出すまでは帰れない。
だけど、テレビから流れてくる『東京』は、ずっと遠くて、今いる場所から続いているとは思えなかった。

19歳のボクは、吉本興業の養成所で出会った梶原君と『キングコング』というコンビを結成し、すべての時間を「お笑い」に費やした。


先輩の誘いも断って、血が出るほど漫才のネタを書き続けた。
「質」はさておき、誰よりも「量」を書いた。

ネタが書き終われば、朝の4時だろうが5時だろうが、養成所で知り合って、まだ深い関係を築けていない梶原君を呼び出して、そこから20時間ブッ通しでネタ合わせすることも珍しくない。

眠そうにしている梶原君にブチギレたことが何度もある。
人として圧倒的に未熟だったし、必死だった。


劇場の出番が終わると、真っ直ぐ家に帰った。
付き合いの悪いボクに対して、先輩方が快く思っていないことには気づいていた。
目の前にいる先輩方は、学生時代の頃から毎週テレビで観ていたボクのヒーローで、その人達から「西野ってイタイなぁ」と言われた時は、それなりにショックを受けた。

それでも、やっぱり真っ直ぐ家に帰ってネタを書いた。
早く売れたかったんだよね。

仲間に夢を語って田舎を飛び出したものの、実際のところは、このまま、何者にもなれないまま終わってしまいそうな不安に毎日襲われていて、あと少しでもこの場所にいると、まもなく未来が翳り始めるような気がして。
とにかく、ここから抜け出したかった。

さいわい、努力の成果は少年漫画みたいに出た。
養成所の在学中にNHKの漫才コンクールの大賞をいただいて、1年目で関西の漫才コンクールを総ナメして、20歳の頃に東京ローカルで『はねるのトびら』という深夜番組がスタートした。


そこから、さらにガムシャラに働いて、25歳の頃に番組はゴールデンタイムに進出。
まもなく、日本一視聴率をとる番組に成長した。
時を同じくして、各局で冠番組もいただいた。

妬みはずいぶん買ったが、絵に描いたようなサクセスストーリーだ。
それなりにチヤホヤされたし、生活も良くなった。
まわりから見れば「羨ましい限り」といった状況だったと思う。


だけど、そこは、新世界のボロマンションから見ていた未来じゃなかった。


その山を登れば景色が広がるものだと信じて誰よりも努力をして登ってみたけど、
そこから見えた景色は、タモリさんや、たけしサンや、明石家さんまサン、ダウンタウンさん、ナインティナインさん…といった先輩方の背中だった。
 
彼らのことをまるで追い抜いていなかったし、一番の問題は、追い抜く気配がなかった。

やれることは全部やったハズだ。
ボクは、どこで道を間違ったんだろう。

世間の皆様は「身の程を知れ」と言うかもしれないけど、芸を生業にする人間として、彼らは当然ライバルだ。

ボクがこの位置に落ちついてしまうと、ボクのことを信じて応援してくださっているファンやスタッフに申し訳が立たない。
自分のことを応援してくれている人には、せっかくなら誰よりも大きな夢を見させてやりたい。
そう思うのは間違ってるかな?

それに、身の程に合わせて活動してしまったら、いつまでたっても未来が始まらないじゃないか。

ボクは、「どうして今の自分に、芸能界のトップを走る先輩方を追い抜く気配が備わっていないのか?」を考えてみることにした。

まさかここで、『才能が無かった』という生ぬるい結論は出すつもりはない。
『才能』なんて努力でいくらでも作り出せる。
『才能の作り方』に関しては、本文の方で詳しく説明するね。


ボクが彼らを追い抜いていない(追い抜く気配が無い)原因は『才能』と別のところにあった。

その当時の僕が走っていたレールというのは、タモリさんや、たけしサンや、明石家さんまサンといった先輩方が、もともと何も無かった世界に敷いてくださったレールだ。

当然、そのレールを走ると、最終的には、最初にレールを敷いてくださった先輩方の背中を押す作業に入る。
「『踊る!さんま御殿』で結果を出せば出すほど、さんまサンの寿命が伸びる」という構造だ。

僕はファミコン世代なのでファミコンで喩えると、『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』といったソフトを作れば作るほど、ファミコン本体(ハード)を作っている任天堂にポイントが入るって感じかな。

真剣に先輩方を抜く気なら、ファミコンのソフトを作っていてはダメで、彼らとは別のゲーム(たとえばプレステ)のハードとソフトの両方を作り、世間の目をそのゲームに向ける必要があると結論した。

そこで、まだタモリさんや、たけしサンや、明石さんまサンといった先輩方が足を踏み入れていない世界に出てみることにした。

芸能界の外だ。

「誰も踏み入れていない土地を歩こう」
25歳という若さが後押しをした。
だけど、まぁ、そう簡単にはいかない。

何の後ろ楯もなく外に飛び出すと、先輩方や同期の芸人や、世間の皆様から執拗なバッシングを浴びた。
もしかするとキミも一度は耳にしたことがあるかもしれないし、もしかするとバッシングに加担したかもしれないね。

一時期は、バラエティー番組をつければ、「芸人なのに雛壇に出ないキンコン西野」をネタにした欠席裁判が何度も繰り広げられていた。
もしかすると、それは芸人の「愛情表現」だったのかもしれない。
ただ、それはイジッている側の理屈だ。

それが欠席裁判だと、ネットで歪んで僕に伝わってきて、そして、その番組を観た人達からの同調圧力が止まらない止まらない。
「調子に乗るな」
「死ね」
そんな言葉を浴びせられるのは日常茶飯事。
それが数日じゃくて、数年続く。
アンチの人達は「ひな段に出ろよ」の大合唱。
はへ? ボクを観たいの?
もう、ワケがわからない。
とにかく“叩くこと”が目的になっていたようだ。

被害妄想なんかではなく、事実、この国で、キングコング西野を叩くことが流行った時期は確かにあった。
世間からタコ殴りにされている息子を、黙って見ることしかできなかった父ちゃんと母ちゃんはツラかっただろうな。

この単語はあまり使いたくないけど、あれは『イジメ』だったんだろうね。

もちろん僕の人間性にも原因があるが、何の苦労もせず(したよ。誰よりも)、若くして売れてチョーシに乗っている芸人の人生転落物語は、嘲笑うにはちょうど良かったのだと思う。

攻撃を受ける対象がボクだけならまだしも、その手は、それでもボクのことを応援してくれているファンやスタッフにまで及んだ。
「お前、西野のことなんか応援してるの?」
彼らは毎日、そんな言葉を浴びていた。
謝っても謝りきれないほど、ずいぶん肩身の狭い思いをさせてしまった。

原因は分かっている。

ボクが弱かったからだ。



キミは今、どこにいる?


一歩踏み出したいけど、踏み出せない場所にいるのかな?
変わりたいけど、変われない場所にいるのかな? 

そりゃそうだよね。
メチャクチャわかるよ。
一歩踏み出した人間が、こうして目の前でボッコボコに殴られてるんだもんね。
怖いよね。

どうしてなんだろう?
どうして、自分の人生を、自分の思うように生きることが許してもらえないんだろう?
どうして、挑戦すれば、めいっぱいバカにされて、めいっぱい殴られるんだろう?
悔しいな。
おかしいよね。
誰にも迷惑かけてないじゃないか。


だけどね、

この国では、外に出ようとすると必ず村八分に遭う。
この国では、多くの人が自分の自由に自主規制を働かせて生きているから、自由に生きようとすると、必ずバッシングの対象になる。
バッシングの根底にあるのは、「俺も我慢しているんだから、お前も我慢しろ」だ。

夢を語れば笑われて、
行動すれば叩かれる。
挑戦する以上、この道は避けて通れない。



でも、大丈夫。
キミは、踏み出す一歩を決して諦める必要はない。

ボクが証拠だよ。
あれだけ殴られて、死んでないだろ?
おかげ様で、連続ベストセラー作家になった。
オンラインサロンは国内最大だ。
つまんない仕事は徹底的に断って、自分が本当に好きな仕事しかしていない。
皆は転落したと思っていたかもしれないけど、転落なんかしちゃいない。

探してんだよ、戦い方を。
生き延び方を。

そしてようやく見つけた。
今は、世界を獲りに行っている最中だ。


いいかい?

キミがいるその場所から一歩踏み出すのに必要なのものは、「強い気持ち」なんかじゃない。
必要なのは、踏み出しても殺されない、明確な武器を手にとることだ。

それは『情報』だ。

今、時代が大きく動いている。
とくに、ここ1~2年は、とんでもない規模のゲームチェンジが起こっている。
とくに『お金』は大きく姿を変えた。
当然、扱い方も変わってくる。
ほとんどの人がこの変化に気がついていなくて、変化に乗り遅れた者から順に脱落していっている。

キミに守りたいものがあるのなら、この変化を正確に捉えるんだ。
少しだけボクの話に耳を傾けてください。

そこから一歩踏み出す方法を教えるよ。
一緒に勉強しよう。



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