「やりたいことが見つからない」と言う若い子、本当に多いよね。
これを読んでいるキミも、もしかしたら、そうかもしれないね。
そして、大人はキミのような子達を指して、「ゆとり世代」だとか、「さとり世代」だとか、「草食」だとか…
自分達に比べて、まるで最近の若い子達は"人としての能力が低い"といった扱い方をする。
でもね、
大人が発する「最近の若いヤツは…」という苦言は人類が誕生した時からずーっと言われ続けていて、その言い分が正しければ、理論上、人類なんて、とっくに絶滅してるわけだ。
スケールダウンを繰り返している生物が生き残るわけがない。
だけど、僕らは今日も生きている。
時代や環境に合わせて、アップデートを繰り返してきたからだよ。
つまり、種として優秀なのは"年下"なわけだ。
だから僕は年下を肯定するところから考えるようにしている。
僕よりキミの方が、ずっとずっと優秀だからね。
でね、
正直に言うと、「やりたいことが見つからない」というのは、僕は最初、全然理解できなかったのよ。
僕は小学2年の頃に芸人に憧れて、そのまま今まで来ちゃったから、特に。
「なんで、やりたいことが無いの?」と思っていた。
ただ、「やりたいことが見つからない」というコトを肯定するところから考えてみると、なるほど、理解ができるようになった。
ようやくキミに追いついた。
こんなことを言うと僕は先輩方から怒られるかもしれないけれど、僕らより上の世代の人達はね、「職業に寿命がある」という体験を"キミ達ほどは"してこなかったんだ。
多くの大人は「職業は延々に続く」という前提で話を進めてくる。
だから、すぐに、「お前は何屋さんなんだ!?」と肩書きを付けたがる。
それに比べて、今のキミ達は違う。
スマホの登場以降、職業が無くなる場面をたくさんたくさん見てきただろう?
Amazonに潰された本屋さんを見てきただろう?
「ロボットタクシー」という言葉が飛び交っている今の時代に、「タクシードライバーになりたい!」とは言いにくいと思うんだ。
15年前は「タクシードライバーという職業が無くなるかもしれない」なんて想像もしなかったんだよ。
20年前は、日本の本屋さんが1日に1件潰れていくことなんて想像もしなかったんだよ。
明日には、どの職業が無くなっているかも分からない(これからの)時代は、副業、兼業、転職が当たり前になってくる。
上の世代の人達は、職業をたくさん掛け持つことを「結局、何がやりたいんだ!一つに決めろ!」と咎めてくるけれど、どっこい、
やりたいことを掛け持つことや、やりたいことに迷うことは、これからの時代を生き抜く術だよ。生き物が生き残ろうとして何が悪い?
今の時代に「◯◯になる!」と肩書きを1つに決め込む方が、よっぽど危険だ。
「やりたいことが見つからない」は、悪いことでも何でもない。
職業が猛スピードで終わっていく時代にキチンと対応できているんだよ。
「アッチがダメなら、コッチだ!」と、肩書きを移動できる準備ができているんだよ。
周りはとやかく言ってくるかもしれないけれど、キミは何も間違っちゃいない。
迷って正解だ。
大丈夫。本当に大丈夫。
具体的な話をしようか。
僕は『えんとつ町のプペル』という絵本を作ったんだけれど、それを作るのに4年半かかったんだよ。4年半だぜ?
えんとつ町のプペル 2,160円 Amazon |
これは、芸人としての収入があったから可能だったわけで、絵本作家一本で活動していたら、4年半も収入が途絶えるわけだから、物理的に作ることができなかったんだよ。
僕もよく「何がやりたいんだ!?」「何屋さんなんだ!?」と世間の皆様から怒られるんだけれど、『えんとつ町のプペル』は、肩書きを掛け持っていたから作ることができた作品なんだ。世間の皆様の正義(ルール)に従っていたら、生まれてこなかった作品なんだ。
時代は変わっちゃった。
人間の寿命だって、すこぶる延びた。
きっとキミは100歳まで生きるだろう。いや、もっとかな?
大人になるのが20歳で、定年が60歳というのは、人生が70~80歳で終わる時代に設定された常識だ。
そんな常識が、定年退職後に約半世紀は生きる今のキミ達に合うわけがない。
昔よりも、時間はたっぷりある。
たくさん迷って、たくさん失敗して、
ゆっくり大人になればいいと思う。
そして、自分達の時代に合ったルールを再構築していけばいいと思う。
僕がまったく知らないやり方で、
僕らとは、まったく違うルールで、
キミが、キミのやり方で、未来を運んできてくれることを願っています。
あと、今、ウォシュレットをしたら肛門に激痛が走ったんだけど、これは切れ痔の可能性が極めて高い。
でも、肛門の病院に通う勇気が僕にはないんだ。切れ痔をスマートに治せる薬を早急に開発しておくれ。
頑張ってね(*^^*)