普段、オンラインサロンでイラストレーターさん向けに投稿するような感じの記事を、今日はブログで書いてみます。




最近やたらと耳にする『信用経済』というのは、言ってしまえば昔話の『花咲か爺さん』や『舌切り雀』に見られる「情けは人の為ならず(他人に良いことをすれば、良い報いが返ってきますよ~)」の世界です。

インターネットで個人と個人が繋がり、互いに評価し合える“『食べログ』の人間版みたいなこと”がことが可能になったので、誰よりも他人に与えている人の取り分が誰よりも多くなるのは当然っちゃあ当然の流れです。
時代は昔話の世界に向かっています。
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その時、作家は何を書く?
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そんなこんなで、去年、「今、こういうルールで回る時代に突入しましたよ~」という『革命のファンファーレ ~現代のお金と広告~』を書きました。
まもなく発売から1年が経ちますが、今も内容そのまま通用するところを見ると、時代の歩みが遅いのか、世間の歩みが遅いのか。
はたまた普遍的なことなのか。
いずれにせよ、この本で、生きやすくなる人や、挑戦する人が一人でも増えてくれると嬉しいです。

ただ、ビジネス書に手を伸ばす層なんて限られていて、日々の実験結果をどれだけビジネス書にブチ込んでも、届かない人には届きません。
『信用経済』なんて言葉を知らない人は、8~9割を占めると見ています。

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絵本で届ける
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そこで『信用経済とは何ぞや?』を絵本で届けることに決めました。
こうなってくると、もう、『花咲か爺さん』や『舌切り雀』の世界です。
前に進んだのか、後ろに下がったのかがよく分かりません。

そんなこんなで、現在、作っているのが今年の12月に発売予定の絵本『ほんやのポンチョ』です。

8月中には完成しそうな気配で、9月から宣伝活動をスタートする予定。
今回の作品は文章がすべて「5.7.5調」で、お父さんやお母さんが読み聞かせしやすいようにデザインしていて、7~8分で読み終わるサイズにしております。

今日は、そんな作品の『キャラクターの表情作りについて』です。
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ファンタジーの世界の中でははつかない
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ファンタジーは世界観そのものがなので、その中で更にをついてしまうと、もう誰も共感できません。 
キャラクターの表情や動きもそうです。
たとえば、コチラ。


こちらはポンチョが本棚の前で、本に夢中になるシーン。

キャラクター担当のスタッフが最初にあげてくれたイラストなのですが、『むさぼるように本を読む』を表現する為に、「読みながら、次の本に手を伸ばす」という演出を選ばれたのだと思いますが、これはさすがにすぎます。

揚げ足をとるようで、嫌なのですが、視線が今読んでいる本に向かっている限り、次の本は選べませんし、なにより、人間が夢中になって本を読んでいる時は、こんな表情はしません。
これは、どちらかと言うと、子供が自分にじゃれてきた時に見せる表情です。
読書に夢中になっている時の表情は、もう少し吸い込まれるような表情で、こう。
このままだと目が驚いているので、目だけを描き直します。(※右にあるが、描き直した)
この紙を隣の席のスタッフさんに渡して、パソコンで、あらためて描き込んでもらいます。

そうして、出来上がったのが、この一枚。
どうでしょうか?

『むさぼるように本を読む』が嘘なく表現できたのではないでしょうか?
キャラクターの演技の手直しは、この調子で進められていきます。

このページもそう。
少女に本の中身を見せられて、ポンチョがリアクションをしているシーンですが、こちらも
笑顔になるまでが早すぎます。

少女に本を見せられて、内容を咀嚼して、笑顔になるまでには必ず時間がかかっているはずで、そうした場合、右腕は次の動作に入っているハズです。

この場合だと「頬杖を外す」が自然な感じがしますが、この肉々しい頬杖はなかなか素敵です。

頬杖を残す方向で進めるとなると、時間の経過があってはいけません
ということは、ここで描くべきは、少女に本を見せられて、内容を咀嚼する前の表現です。

てなわけで、こう。

この調子で、目の動き、眉毛の動き、鼻の動き…あらゆる動作、そしてその動作の前後の流れを一つずつ直していきます。
表情作りに定評のある西野氏の指示書

ちなみに、コチラは…
手直し後は、こうなります。

たまたま今回は、開いている口を「手直し」で閉じたページばかりを紹介してしまいましたが、逆のパターンもあります。

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絵に説得力を持たせるには…
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まだまだ、絵を始めて、10年やそこらのぺーぺーですが、それでも少しだけ見えてきたコトがあります。
それは、「外に出ないと説得力のある絵は描けない」ということです。

外に出て、温度や湿度や音や匂いを体験し、
一人でも多くの人とコミュニケーションをとって、目や、眉や、鼻や、鼻の下や、口や、喉や
腕や、腰や、背骨や、足の動き、そしてそれらの一連の流れを取り込まないことには、どこまでいっても『写真を見て描いた絵』になってしまって、そこに説得力が乗りません。
体温が宿りません。

もし、これから絵を始められる方がいらっしゃるのであれば、そこから始められるといいかもです。
もっと言うと、骨の位置を把握するのは勿論のこと、「なんで、この人はこんなことを言うのだろう?」という相手の心理や、「なんで、この人はこの顔になったのだろう?」という生活環境をイチイチ疑いながらコミュニケーションを取ると、さらに説得力のある絵が描けると思います。

ぺーぺーが偉そうにすみません。

そんなこんなで、今日はこれから山梨県に向かいます。
①『制作物発表会』作品制作について話bruno.base.shop/items/12033353②『ギター発表会』音楽からデザインする作品制作の話bruno.base.shop/items/12033369③『交流会』参加者からの相談に片っ端から本気で応えますbruno.base.shop/items/12033306
各種イベントがございますので、お時間合えば是非!!
【オンラインサロン】
毎日、議論や実験を繰り返しています。
今日は、『マネージメント』についての記事を投稿させていただきました。
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