おはようございます。

クラウドファンディングの戦い方を日本で最も熟知しているキングコング西野です。

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今朝は『クラウドファンディングで失敗するヤツはオリジナルTシャツを作る』について少しお話したいと思います。
すでに、結論を言っていますが、クラウドファンディングで失敗するヤツはオリジナルTシャツを作ります。
購入型のクラウドファンディングには『リターン』と呼ばれる見返り(3000円支援してくださったら、御礼に○○をお返ししまーす)というものがあり、言ってしまえば、この『リターン』の予約販売でもって活動資金を調達しているわけですね。
かれこれ5~6年ほどクラウドファンディングを見続けていますが、クラウドファンディングで失敗するヤツは、この『リターン』の一つに必ずオリジナルTシャツをブチ込んできます。
さしてデザインのセンスもない(センスがあったら、とっくにデザイナーとして大成しているハズの)スタッフの一人がデザインした、今回の企画のオリジナルTシャツです。
【例】
(企画)
『難民キャンプで生活する子供たちに勉強机を届けたい』
(リターン)【3000円】
『子供たちLOVE&PEACEオリジナルTシャツ』
たとえば、サンボマスターさんが『福島で無料ライブを開催したい』というクラウドファンディングを立ち上げて、そのリターンで出されるオリジナルTシャツは喉から手が出るほど欲しいですが、どこぞのオバちゃんが熱い気持ちで作ったオリジナルTシャツは“お金を貰っても”要りません。
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なぜ、クラウドファンディングでオリジナルTシャツを作るヤツは失敗するのか?
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これは、結論、コスト計算ができていないからということに尽きます。
Tシャツにしろ、何しろ、モノを製造する場合は「ロット数(業者に発注する数)」というものがあり、ロット数が多ければ多いほど単価は安くなり、ロット数が少なければ少ないほど単価は高くなります。
オバチャン達がのぼせあがって作ったオリジナルTシャツなんぞ、プライベートで絶対に着ることができません。
そのオリジナルTシャツの需要は、「その企画に携わるスタッフが、その企画に携わっている間だけ着る」という程度でしょう。
せいぜい12~3枚です。
業者に12~3枚のオリジナルTシャツを発注すると、支援された金額のほとんどがオリジナルTシャツの製造代にまわされて、難民キャンプの子供たちに勉強机を届ける費用には使われません。
「神は細部に宿る」とはよく言ったもので、こんな単純なコスト計算(需要計算)ができていない人は、他でも必ず支援金の無駄使いをしてしまいます。
企画を立ち上げたオバチャン達は熱い気持ちで2000%“のぼせあがっている”ので見えていませんが、支援者はそこをキッチリと見ています。
「コイツにお金を預けて、大丈夫なの?」という部分です。
支援者は3000円を支援することに躊躇っているわけではなくて、支援した3000円が無駄に使われてしまうことを懸念しているわけです。
なので、たとえば……
【リターン①】3000円『ただただ支援』
(リターンはありません。今回の挑戦をただただ応援してください)
【リターン②】3000円『オリジナルTシャツ』
(支援してくださった方に、《子供たちLOVE&PEACEオリジナルTシャツ》をプレゼント)
……という二つのリターンが用意されていた場合は、支援者はリターン①を選ぶでしょう。
(もっともリターン②を用意してしまうようなオバチャンにお金を渡すのは心配なので、リターン②がある時点で、リターン①にも支援しないと思いますが。。)
くれぐれも言っておきますが、これは、どこの馬の骨だか分からない『オバチャン』が立ち上げたクラウドファンディングの場合です。
すでに一定数のファンを抱えている人が立ち上げた場合は、話は別です。
クラウドファンディングでオリジナルTシャツを作るヤツ=支援金の無駄使いをするヤツ
というマイナスイメージを持たれてしまうことを踏まえておいた方がいいと思います。
【最後に】
いろいろキツい表現をしてしまいましたが、基本、何かに挑戦する人を僕は応援しています。
その挑戦には大きな意味があって、だからこそ、一度冷静になって、俯瞰で自分を見て、無駄な動きを徹底的に省くことをオススメします。
頑張ってください(*^^*)
《企画の立て方や、広告の出し方などを毎日議論し、研究しています》