絵本作家としての僕のキャリアは、いわゆる絵本作家さんのそれとは違っていて、ヘンテコだ。

さすがに今はもう言われなくなったが、タレントが絵本を出すと「ズルい」みたいな声が星の数ほど飛んでくる。
タレントとしての知名度の利用は、まるで、不正やドーピングでもしたかのような扱いだ。

まぁ、それについては、皆さんがコンパやサークルや恋愛云々カンヌンで人生を謳歌している間に、血を吐きながらネタを書いて、連戦連敗の戦場にそれでも赴いて、自分の力で、ようやく“もぎ取った”筋肉であり、自分の筋肉を使って動いているだけなので、不正もヘッタクレもない。

発信力がある人は、「おぎゃあ!」と産まれた瞬間から発信力があったわけではなくて、日々、発信力をつける為の努力を積み重ねたわけで、
発信力がない人は、ただただ、その努力をサボっただけにすぎない。
それが現実だ。

そんなこんなで、「キングコング西野」を利用して絵本を作ってみると、こんな絵本ができあがった。
超分業制で作る絵本は、作り方から何から前例がなくて、いちいち手探り。
「オーソドックス」や「正攻法」といった言葉から最も遠い場所で今日も絵本を作っている。

今は2冊の本を同時進行で作っている。

『チックタック ~約束の時計台~』

と、

『ほんやのポンチョ』

の2作品。

2作品同時に作っている理由は、物語は違うが、物語の舞台が同じなので、美術デザインが共有できるので。

このうち『ほんやのポンチョ』は、いわゆる「絵本」な内容になっている。
漢字も無いし、ページ数も少ない。
幼稚園の先生や、お父さんお母さんが読み聞かせしやすいように、文章も「5.7.5調」だ。

これまで、ずっと変化球を投げ続けてきたのだけれど、ここにきてストレートを投げたくなった。
あと、変化球の筋肉がついているので、ストレートを投げても、普通のストレートにはならない自信もあった。

初めての挑戦で粗だらけなので、面白そうだから、昨日からオンラインサロンに『ほんやのポンチョ』のプロット(叩き台本)を投げて、オンラインサロンメンバー全員で共有し、好き勝手に意見してもらっている。

夜中のうちには『第3稿』まで進んで、ずいぶんスッキリしてきた。
こうして制作過程を共有するという方法は、これまで変化球を投げ続けてきたからこそできることだと思う。

『えんとつ町のプペル』の二匹目のドジョウを狙っても仕方がない。
たとえ、その作品がヒットして、たくさんの人に受け入れられても、それによって僕が得られる経験は何もない。

得体の知れないものを掴みにいきたいなぁと思いながらジタバタしてたら、すっかり朝になった。
明け方、友人の前田さん(SHOWROOM代表)からLINEが入った。
彼もまた新しい挑戦をしていて、また刺激をいただいた。


今日も頑張ろうっと。



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