エイズについて① | 西那須野いぬねこ里親会シェルターブログ

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西那須野いぬねこ里親会のシェルターブログです。シェルターの犬、猫、ヤギのことなど。ボランティアスタッフ3人で書いていきます。
どうぞよろしくお願いいたします!


先月亡くなったふみはエイズでした。





一緒に暮らしていたロコも

エイズを患っています。





ロコは健在。


口内炎が酷いため

悪くなった歯を抜歯。

現在ヨダレが多く、毛艶が悪い状態ですが

食欲はあり、便も普通です。



無数にできた口内炎↓


膿のまじったヨダレが出ています。






ふみは、5歳で亡くなりました。





猫エイズについて、思うことがあり。


まだまだ

理解されていないことが多い

と感じることがあったので


改めて考えました。






・免疫が弱くなる

・病気がちになる

・完治することはない



などと言われますが



実際にどのように感染し

どのように亡くなっていくのか

長生きできるのか?と


1例として、ふみを振り返ります。






ふみは、1年前ロコと一緒に

シェルターにやって来ました。


(ロコは年齢不明、ふみは推定3~4)




ふみは、痩せ型で

食べても肉が付かず、食後に

お腹だけが膨れる子でした。



その頃から、便はほとんど下痢で

自分の寝床で排泄していました。



この時変だと思ったのは



食べても太らないことと

いつも便がゆるいこと、

他の猫より動きが硬いことでした。





食い付きはよく

量も食べていました。



お腹が空くと、3段ケージを

バタンバタンと昇り降りして

ニャーニャー鳴き

元気にアピールしていました。






食べ過ぎの消化不良で

下痢をしているのでは?


アレルギーで

お腹を壊しているのでは?


ストレス性の腸炎では?と




量やフードを工夫したり

ストレスに配慮したり

下痢止め投与もしましたが


ふみの便はなかなか一定にならず

ほとんどの日が下痢と軟便でした。




何度も下痢便を踏みつけ

シャワーの刑に処されたふみ↓





他に具合の悪そうな所はあまり無く


一時期水をよく飲むこともありましたが

そのうちおさまり、その後は

ほとんど水を飲まなくなりました。




シェルターでは毎食

ウェットフードを与えていたので


下痢さえしなければ脱水は

それほど深刻ではありませんでした。




また、ビオペアの投薬後


秋ごろ12ヶ月くらい、

健康的な便が続いていましたが、


冬の頃に下痢は一気に悪化し


いつも水下痢が続くように

なってしまいました。




さらに痩せてしまったふみ↓


1月、元々細かったふみは、

さらに痩せていましたが


食欲はほぼ変わらず

ウェットフードを好み

よく食べていました。





その後は病院で処方された

整腸剤は効かず、


食べたものも身にならず


下痢で水分がどんどん出ていき

覇気がなくなっていきました。




それでも補液は大嫌いで

可哀想なほど嫌がっていたので

頻繁にはしてあげられず。




2月、元気に昇り降りしていた

3段ケージも、よじ登らなければ

上がれないほど弱る日がありました。


補助板を付け、登りやすくしました。





寝床での排泄が増え、

お布団にもペットシーツ設置↓


元々、シェルターでは

チャオ缶とピュリナワンをベースに

与えていましたが、


ドライフードを

ロイヤルカナンの消化器サポートにして


ビオペアを多めに投与を徹底したところ

便が改善していきました。




しかし、1週間ほどした頃の朝


寝床で下痢をして横になり

そのまま息を引き取りました。




前日の夜までしっかりとご飯を食べ

夜にはケージの1番上に登って

寝ていました。








よく、いつも一緒にいる子がエイズなら

その子から移ったのだろう、と

推測されることがありますが



20年以上猫の保護活動をしてきた

代表や、猫を何十匹も保護してきた

経験のある保護活動家さんたちの間でも


「一緒に生活するだけでは移らない」

ことは常識化しています。





エイズの子を拾ってしまったけど、

うちの子に移るから

一緒に飼ってあげられません、と

相談されることは後を絶ちません。






よく調べていただければ分かるように

猫エイズの感染に関する様々な記述では



1番多い感染経路は喧嘩・咬傷」

「母体から胎盤感染することがある」

「交尾で移ることは少ない」

「空気感染・飛沫感染はしない」



とあります。




以上の事から、去勢が施されていて

よほどの喧嘩がない限り

感染はしにくいと考えて良いと思います。




念の為に、お部屋を分けて

飼育することが出来るなら


感染の心配ほとんど無いので

「うちの子に移るから無理!」と

一概に 諦めることはありません。







文字数制限により

次回担当曜日につづきます。



スタッフ木下