★子どものいびきは警告音

こどものいびきは、ある意味、大人より深刻です。

そもそも健康な子どもはいびきをかかないものです。

ですから、いびきをかいている子どもを見て「ぐっすり寝ている」と思うのは、大間違い。

もし、お子さんがいびきをかいていたら、それはお子さんの体からの「息が苦しい」「酸素が足りない」という警告アラームなのです。


★原因

こどものいびきの原因は、たいてい扁桃とアデノイドの肥大です。

扁桃もアデノイドもリンパ組織の一つで、病原体から体を守る役割をしています。

小さな子ども(特に3~6歳くらい)の場合、これらが大きいのはごく自然なことですが、おおきくなりすぎて上気道をふさぐようになると問題です。

子どもはもともと上気道が狭いので、呼吸が苦しくなり、睡眠中にはいびきや無呼吸がみられるようになります。

また、もう少し年齢が高くなると、これにアレルギー性鼻炎による鼻づまりが加わったり、小児肥満が原因になったりするケースもあります。


★症状

習慣的にいびきをかいている子どもは、いびき以外にもいろいろな症状を示しているはずです。

でも、小さな子どもは自分の不調をうまく訴えることができません。

保護者が気づいてあげない限り、医師の診察を受けるチャンスがないので、これらの症状を見過ごさないよう気を配っていただきたいと思います。


★子どもの睡眠時無呼吸症候群のチェックポイント(こんな症状はありませんか?)

・いびき…毎日いびきをかく、肩で息をしているなどは危険。

・無呼吸…大人と違って、10秒以内でも無呼吸と考えたほうが良い。

・陥没呼吸…息を吸うとき、胸のあたりがへこむ。長期では漏斗胸になることも。

・鼻づまり・口呼吸…アデノイドが肥大して鼻呼吸ができなくなっている。

・食事が遅い・食が細い…肥大した扁桃が邪魔をして、食物を早く呑み込めない。

・寝起きが悪い…無呼吸のためによい睡眠がとれていない。

・おねしょ…無呼吸によって利尿ホルモンが増えるため。

このほか、寝相が悪い、寝汗をかく、鼻水、口臭、いつも口を開けている、よだれ、歯並びが悪くなるなどの症状も見られます。

また、子どもの場合は「睡眠時無呼吸症候群」でも、大人ほど昼間の居眠りや眠気を訴えることがないのも特徴です。


★解決法は

舌の位置を正しい位置にもっていくように訓練する。

トレーナーという道具を用いることもあります。

さらに噛み合せが低い場合がほとんどなので歯の上にレジンをプラスして噛みあわせを高くします。

口腔内の容積が増加し呼吸が楽になります。






「いびき」はからだの「赤信号」 巽浩一郎 著より抜粋