「譲歩して譲歩を引き出す」
人との議論や交渉の中で、どうしても譲歩を引き出したいときがあります。譲歩の引き出し方は、言葉巧みに相手の利を唱え、譲歩を引き出す方法やとにかく懇願して譲歩を引き出す方法等、様々ですが、「譲歩して譲歩を引き出す」ということも有効な方法の一つです。
これは、今までもよくでてきた「返報性の原理」を利用したものです。まず先に自分が譲歩することによって、相手が罪悪感を感じ、「向こうが譲ってくれるなら…自分もこのくらい我慢しようかな」という気持ちをもつということです。押してだめなら引いてみるということですね。そこで大切となるのは、「何を譲るか」ということになります。議論や交渉の前には、自分の中で「譲れること」「譲れないこと」をはっきりさせて臨むことが重要です。この部分が曖昧だと、譲っていいことに意固地なったり、譲ってはいけないことを譲ってしまったりしていしまいます。
さて、もう一つ気を付けなければならないのが「相手が罪悪感をもつ関係」であるということです。相手がただ単にあなたをだまそうとしているのならば、譲れば譲るほど相手は傲慢になっていくでしょう。