「私たちが敵に憎しみを感じるとむしろ自分自身が敵に支配される」
私たちは日々、生きている中で喜怒哀楽を繰り返します。時には人に対して腹が立ったり、怒ったりすることもあります。このことは人と接していく上で仕方のないことです。しかし、いくら腹が立っても、いくら怒っても、憎しみまで抱いてはいけません。それは、「罪を憎んで、人を憎まず」ということもありますが、憎しみを抱くと、自分にとっても全くメリットがないからです。なぜなら、ある人に対して、憎しみをもった瞬間、その人に支配されてしまうからです。憎い相手に支配されてしまう。そんなことはどう考えても自分にメリットがあるとは思えませんし、決して許せないことですよね。では、なぜ憎しみをもつと相手に支配されてしまうのか。それは相手のことを憎んでいると四六時中、相手の顔、行動を思い浮かべてしまうからです。怒りがこみあげてきて、常に憎い相手のことを考えてしまうからです。すなわち、相手に支配されるのは自分にとって大切な「思考力」であり、貴重な「時間」であり、穏やかな「心」であるのです。
いくら腹が立っても、相手のことは憎まない。これは相手に対してだけでなく、自分にとっても大切なことなのですね。