「人前で自分の意見を口にすると自然に統率力が備わってくる」
今まで、しばらくマキャベリの『君主論』について伝えてきました。今回からは悩みの解決法に触れていきたい思います。「統率力」というと悩みとは関係ないように思えますが、悩みのほとんどは人間関係に由来します。それは、自分が思っている、描いている通りに人が動いてくれないことから生じます。仕事や恋愛、友人関係、家族でもそうですね。自分の周りの人が自分の思った通りに考え、動いてくれたら悩みの大半は解消するのです。その人がリーダーなら、なおさらそうかもしれません。人を動かすとき「統率力」は欠かせません。統率力が身に付いていれば、自分の描いている通りに人が動いてくれる可能性が高まるでしょう。しかし、この「統率力」というものがやっかいで、どのように身に付ければいいのか分かりにくいのです。人々はこの「統率力」をしばしば「カリスマ」という言葉でひとくくりにします。「統率力」は一昼夜で身に付くわけではありません。長い月日を経て、相手との信頼関係が生まれ、備わってくるのです。そのためには、自分自身をオープンにする必要があります。相手からどう見られるかにとらわれず、人前で自分の意見を口にすることから始めるのです。人前で自分の意見を口にするということは、その問題に対して、自分の意見をもたなければなりません。その問題に対して真摯に向き合い、考えなければなりません。また、自分の意見を口にすれば、当然、責任が生まれます。自然と責任感も身に付き始めます。
人は心を開いてくれる人のみに心を開きます。人々の心が開いたとき、自然と統率がなされてくるのだと思います。