「相手の意見を変えるには『美しい理由をつけたがる』心に訴える」
先日、自分の意見を相手に聞かせるこつをお伝えしましたが、今回は一歩進んで相手の意見を変えるためのこつをお伝えします。これも「人を動かす」の一節です。
相手の信用状態が不明なときは、彼を立派な紳士と見なすことが大切です。相手の意見を変えるときも相手の立場に立って、言葉を選び、物事を考えることが重要です。相手を理論的に言い負かしたり、威圧したりしても、相手の根本は変わりません。言い負かしたときは「はい。分かりました」と言っても、行動はついてこないのです。つまり、相手を言い負かした時点で、こちらも負けなのです。
目的は相手の意見を変え、相手の行動を変えることです。そのためには相手自身が自分で意見を変えなければなりません。人に変えられたと思わせないことが大切です。すなわち、自分の意見を変えるための「美しい理由」を与えてあげることが重要なのです。例えば、人は「人の期待に応えよう」「人の期待に応えたい」という気持ちがあります。「相手の期待を裏切るわけにはいかない」というのは、立派な理由の一つとなります。
自分の意見を変えるとき、その変化が大きければ大きいほど、人は理由を求めます。意見を変えるための障壁は何か。メリットとデメリットは何か。それらを相手の立場に立って、共に考えていこうという姿勢が必要なのですね。