「 楠さんに言いたいんだ。此処で一人に成って昔を思い返して居るのさ。娘たちが幼顔で無かったら声を掛けたかドウかをね。僕も騙されて居たのさ。あの子供たちに行動に移す勇気が有ったかどうかをね。」

   電話が換わったんだ。

   「 良く思い出して下さったのね。私も其れを思い出して居るのよ。帰ったら言おうと思ってたの。お電話の方が好い易いでしょう。そうなのよ。売春が終わったら以外にもサバサバしてたのよ。其れで気が着いたのよ。幼いのを使って次の手を打ってたのね。18歳に成った今も変わって居ない筈なのよ。遣るべきことをチャンと実行してるのね。可笑しな顔をし無いでよ。あの子たち次を見据えてるのよ。10個の知恵でね。オーストラリアを知らなくても、そろそろ大人の行動に移るのは判ってるのね。ですから根津は要らないのよ。」

          そうだったのさ。僕もマリーも気が着かなかったんだ。山田も伊勢も五十嵐も独りだったらまだ未熟な知識と体だったと思うのさ。其れを10人の知恵を寄せ合って、世の中の荒波を乗り越えて来たのさ。

           いーや、僕を乗り越えて来たのかも知れないのさ。行動力でね。

   そうなんだよ。電話で楠さんが告白したのは、実は動きましょうって言ってたのさ。マリーは娘が意識の中に有るのだね。楠さんは其れが先に有るとしても、今はオーストラリアに居る事が現実だって言ってるのさ。そうだよ、僕の遣るべきことは娘たちから頭を離して仕事に突き進む事なんだね。

           やっと10個の処女を貰ったモヤモヤから抜け出したのさ、マリーって姉さん女房が居るのだからね。そうだよ、トレセンに行こうとサボろうと、八百長レースは続くのさ。だったら今週のトレセンはサボって、月曜日に連中が何を言って来るのか待てば好いのさ。上手く行けばオーストラリアに行けるかもしれない夢を見て、転寝しちゃったんだ。