「 ドウです、結論は出ましたか。」
「 待て待て、急かすとしくじる物なんだぞ。確かに毎週、200頭の調子を見極めてるお前には兜を脱ぐさ。だが此処にいる10人の裏事情に精通してるのも買って貰わなくてはな。」
「 何をお調べかと思ったら其んな事ですか。じゃあバラシちゃいますが、僕が調べてる何がレースに関係してるんですか。
ヤレ本命がドウとか、当て馬が軸に絡む事も有るとか聞いてて笑っちゃいますね。
川崎では10年もサラブレットのトレーニングを引き受けてたのですよ。レースに関係無く調子を整えたのです。其れがレースで引っ繰り返るのを見続けて来たのです。
馬主も調教師を旗印にして居る関係者も、馬の調子を聴きに来て居たのです。どの馬に何パーの塩水を飲ませるのかを確かめにね。黒毛に塗るヤシ油を置いて行くのですよ。ブラッシング無しでも素晴らしい艶が出ますでしょう。
大方の裏事情ははガキの頃から知ってたんですから。お仲間に加えて頂いたからには、飛びが何メーターあるのか程度は教えますよ。僕のピンチヒッターは小田様が引き受けて呉れるでしょう。ドウなんですか。50%で不満だとでも仰るのですか。」
商売って面白いでしょう。駆け引きしてる心算でも、落としどころは最初から判ってるんですからね。
「 土曜日に200万と言ってたな。10人の口座を作れば50%の100万は振り込まれるのだな。其れを倍利率の200にして何処に送れば好いんだ。」
「 手を打ちましょう。此れはノミの代行業とは別物なんです。明日にも振り込みが無いかも知れません。若い言っても僕に何が起こるのかは誰れにも判らないのです。取引が終わればそれですべて終わりなんです。」
「 ふーむ、ドウ考えても判らないな。お前の正体は告げて有るのだろう。其れが漏れない保証はドウ成ってるのだ。」
「 ドウも成ってませんよ。ですから小口のノミはお辞め為さいと言ってるのです。東京のトップテンの商人なんですよ。此れまで1円の無駄も許さないで生きて来た方たちなんです。毎週200万を、訳が判らない口座に捨てるのに喜びを感じて居らっしゃるのです。
停電で万札に火を付けてローソク代わりにしたお大尽が居るそうですね。其れとはケタが違うんですよ。会うも会わないも、信じるも信じないも関係が無いのです。ゴミ捨てが土曜日と決まって居るだけなんですよ。
テストして見ましょう。此処に100万の束が10人×5週として準備して有ります。此れを月曜日までに毎週倍にして返して呉れますか。」
「 気に食わないな。テストされるのは真っ平ご免にして貰いたいな。学生じゃ有るまいし、テストする必要が有るのかな。」
笑っちゃいましたよ。
「 お気に入らないのでしたらご破算にしましょう。此れは皆様方の問題なんです。結果として巧く且つ、思い掛けないお仕事に気が着いたのでしたら、6週目からは本番をスタートさせましょう。其の時振込口座を新設するのです。何処の銀行の何処の支店なのかは其の時教えます。
なーに、スイスバンクなどのアヤフヤな銀行は使いません。入金は教えましたね。僕の岩崎銀行の口座を使って頂けば安全なんです。振り込みは5週を無事に、しかも楽しみながら送られたら教えましょう。
5週トレセンには通います。代役の小田様を皆様が認めて下さるのでしたらね。」
交換条件が成立するかドウかは、5週を見なければ判らないだけだったのさ。