「 此んな話は人に聞かせる物では無いんだね。愚痴とも違うしお説教とも、まして躾とも違う話なのさ。聴きたくないだろうがイヤでも聞いて貰うよ。君たちとは6年の付き合いだがマリーとは8年に成るのさ。8年で一番多かったのはセックスだよ。其れにお金なんだ。此の二つは皆んな知ってると思うのさ。だけど少しずつ二人が育って急には近付かなかったのを言いたいのさ。其の間には和解や楽しみよりも喧嘩してた時間が長かった様に思うのさ。

          喧嘩って仲直りしようとすると、其れが原因で又喧嘩に成っちゃう事が多かったね。其れを解すのにはヤッパリセックスとお金だったのさ。僕とマリーが離れたりくっ付いたりしてたのを反省して見ると、意外に時間で元に戻った事が多かったのさ。

   今言いたいのは、時間を巧く使うって言うかな。何も関係し無い時間が人には必要見たいなのさ。判った様な判らない話だけど、マリーとの8年は離れてた時間の方が多かったんだね。今もそうだけど、此れを巧く使うのが決め手に成るのさ。」


   「 何をグダグダ言ってるのよ。功は疲れてるんでしょう。私たちお買い物に行って来ますからお昼寝して居らっしゃい。」

   「 其れなんだよ。其れを言いたかったんだ。君達実行が先だったでしょう。10人居たのが上手く回転してたのさ。10通りの頭の中には悲観的な人も居ただろうし、何も考えないで先に進んでた人も居たと思うのさ。此れが5人や20人だったら、これ程上手く先に進めなかったと思うのさ。」


   皆んな立ち上がって出てっちゃったのさ。此れで好いんだよ。今日悟るとは思えないけど、何だかんだと言うよりも先に進んで居れば何かが生まれるのさ。買い物から帰って来れば、今の気持ちと違う筈なんだ。其れを買い物で換え様とするからトラブルが生まれるのさ。時間を置けば人の気持ちが変わるのを少しずつ判って取り入れて呉れれば好いのさ。


    「 なんだ、買い物に行かなかったのか。」

ポツンと一人残って居た山田に云ったのさ。

    「 アンネがきついのよ。だから行く気がし無かったの。さっきの話だけど、時間が経てば考えが変わるってのは判るのよ。でも皆んな、お買い物に行くとは限らなかったでしょう。」

    「 好いのさ。今日明日に判って貰おうとは思って居ないんだ。いきなり時間と言う非現実な話にウンザリして貰えば好いのさ。一晩寝たら考えが変わるかもしれないでしょう。10人が上手く作用してたのを知って貰うのも此れからには大事なんだよ。1人欠け、二人欠けして何人か独立して行けば、10人固まって居た絆が続いて居たのに気が着く筈なんだ。其の先ドウ変わるかは判らないね。でも懐かしいだけでは無くて、オーストラリアと言う未知の世界でも10人の絆が大事なのに気が着いて呉れれば好いのさ。今言ったって判らないだろうさ。何年かの時間が経てば判る人も出ると思うのさ。」


         ヤヤコシクテご免ね。時間って形が無い概念が意外に現実を動かして居るのを知れば好いのさ。オーストラリアは理想郷では無いんだよ。マリーが其れを証明したんだ。娘たちは壁にぶつかるのは見えてるんだ。僕にもマリーにも出来る事って少ないのさ。黙って時間に任せるしか無い事も起きると覚悟して置かねば成らないのさ。

    其の時が来なければ、今日言った時間が解決するのは判らないと思うのさ。