「 霞の甘ったれは知ってるけど、其れが小田夫人に通用するとは思えないんだ。親方連中の話しでは、秋田の豪農の娘なんだってさ。三人の娘をチャンと育てて、お嫁に出すなんて並みの母チャンでは出来ないって言われてたんだよ。1人くらい家婿を迎えたって好いのに、娘三人を外に出すってのは八百屋の嫁さんには出来ないって言われてたんだよ。」

   「 其んなの小田さんに聞いてたのよ。奥さんの尻の下に敷かれてるってのは、オクビにも見せなかったのよ。其れ位出来て無かったら、青森会の50人を操るなんて出来る物では無いでしょう。奥様の言い成りに成ってる様に見せても、秋田の豪農さんを適当に使ってたから伸し上がれたのよ。青森の出稼ぎ男が秋田のオヒンブルさんを落としたのは何を使ったのか判るでしょう。」


   「 おいおい、俺に飛び火を架けないで貰いたいね。マリーを落としたのは何もセックスからじゃ無いんだよ。何となく合意が有ったからなのさ。小田さんの本音は知らないけど、手管で奥様を落としたのでは無いと思ったらドウなんだ。立派な努力だってね。」

   「 だから其の努力を使いましょうって言ってるでしょう。

         もう、死に体に近い奥様を生き返らせるのは孫娘が一番なのよ。確かに霞は性の遅れが有ったわ。皆んなは遅れを智慧にすり替えて10人の仲間に入れたけど、功だって知ってる筈でしょう。

         パイパンに近かったけど、産毛が光ってるのは女だって堪らなかったのよ。あっちは育ったけど、体中の産毛が金色なのって羨ましいのよ。

   どんな奥様かは知らないわ。でも孫娘に弱いのは何方も同じでしょう。」


   「 君たち勘違いしてるんと違うのかな。霞に溺れそうなのは奥方よりも小田さん本人でしょう。」

   「 霞のお利巧なのを知らないのね。聖心でもマスコット代わりにされてたのよ。普通だったら苛めを交わすのに、泣いたり笑ったりするでしょう。霞のお惚けは、タイミングをずらのよ。私たちだって呑み込まれそうになるほど上手なのよ。

        ずらすって恍けるのでは無いのね。霞の本能だと思うんだけど、反応を一秒の半分くらい遅らせるのね。其れが幼さな顔と産毛でお利巧を隠してるのね。聖心では先生もシスターたちも霞に嵌っちゃってたのよ。

   ですからストーカーに追い掛けられたのも判るのよ。あの時は功が助けたでしょう。芝浦に行くってのに、本人は知らん顔で遊んでたでしょう。

        他人事の様な顔でね。演技じゃ無いのですから小田様の奥様も嵌るに決まってるのよ。

    今度は私たちが間に割り込めば好いのよ。

10人の強みでね。」

    まあ好いさ。お手並み拝見としたのさ。