「 此れを言うのは小田さんを迎えに行った3人が帰って来るまでに功の心を決めといて欲しいからなのよ。小田さんと一緒だと、裏を見せるのは拙いでしょう。功が残るって言った時に、残らねば成らないのは、手が離せない木・金・土のトレセン通いが有るからなのに、皆んなの意見が一致したのよ。マリーにカマを掛けて功の役目を聴きだしたのよ。其の日のお馬の調子を診るのがお仕事なのね。
其れが外せないのだったら、とてもじゃ無いけどオーストラリアには行けないでしょう。
其れで諦める様な私たちじゃ無いのよ。6年懸けてオーストラリアを吹き込んだのは功なんでしょう。」
「 驚いたしつこさなんだな。」
「 そうよ、青森の好いとこったら粘り強い所なのよ。1人々々だったら弱い女なんですけど、10人の知恵を集めればハーバードにも太刀打ちできるんですもの。」
「 しつこいのは判ったけど、マリーのハーバードは忘れて呉れないかな。」
「 其うは行くものですか。確かに子作りは譲ったけど、女って諦めないのよ。私たちは其のジェラシーを功の研究に使ってるのよ。男はマリーに譲っても功の金づるは離しませんのよ。
マリーはハーバードで培った経済知識を使えば好いのよ。私たちは功が此れからお金を増やすのをお手伝いしましょうって決めたのよ。
殆んど手口はマリーに聴きだして置いたのよ。府中のトレセンと10人のお年寄りの隠し金を作って挙げるのが日曜日のお仕事なんでしょう。経済知識では負けるけど、組み立てるのは10人が上なのよ。
霞のネチネチはマリーにも効いたのよ。」
其んなだとは知らなかったんだ。心の中まで知らなくても、娘たちの操縦法は知ってるのさ。10人をバラバラにすれば女が噴き出すんだ。既に12歳からアイヌのミックスが強いのを知ってたのさ。日本の娘には無い積極性と言うか、開けっ広げで向かって来るのをね。
走り出したら止まらない情熱が怖くて控えてたのさ。今はマリーって安全弁が居るのだよ。ニガーのジェラシーって娘たちに劣らない程強烈なんだよ。男に向かって来るのじゃ無くて、相手の女を殺してまでも引き離そうとするのさ。
其れが上手く回って居るのが同ない歳の楠さんとの組み合わせなんだ。
36って衰えに怯え始めるお年頃なんだよ。
当面は赤ちゃんでマリーは釘付けに出来ると踏んでるのさ。楠さんは其れを妬いて呉れるのだったったら種馬を探すと思うのさ。
バカにし無いで貰いたいね。男も28に成れば、多少の狡さ無しでは夜が持たないでしょう。マリーに食い千切られ無い放水も手なづけられちゃってるよ。操られるのは仕方が無いとしても、相互理解に頼っても好いでしょう。
其れ位の逃げ道を持ってても、男は弱く成ってるのを悟らせないのがセックスの極意なのさ。