「 自分と向き合うとか真っ直ぐ進むとか、反省だとか思い遣りだとかって全部心で作る架空な幻想なのね。何を言おうとしてるのか判らないでしょう。

        判らない話なんか聴きたくないでしょう。其れを言ってるのよ。眠く成るのならまだ幸せだって。

   そうよ、幸せなんて心が作る架空な世界なのね。眠く成るのが現実の世界なのよ。だったら心と現実のどっぢ強いかしら。

        眠く成るって現実が優先なんでしょうから、食べる、飲む、ウンチをする、そしてセックスで成仏するのが一日の締め括りなのね。

    お判りかしら。おや、賛成も反対も無いのね。

マリーの勝ちね。お休みなさい。」


    って、根津の食堂で18歳のダンゴムシが出来ちゃったのさ。仕方が無いから毛布と枕を運んで来て、スッピンの生足を隠したのさ。

   「 ねっ、判ったでしょう。お説教なんか勿論だけど、幾ら正しくても強くっても言葉なんか動くのに勝てないのよ。マリーは10人のダンゴムシとオーストラリアスクールバスで明日の夢を見るわ。

         楠さんは現実派なのね。眠ったフリをしてるからお風呂に行って来たらドウなの。

    明日は明日よ。3ヵ月の中の一日なんですからね。其れを作るのから始めましょう。」

    何ともバカバカしく成っちゃったのさ。

   そうだよ、マリーが来た3年前の幻想が蘇ったのさ。カナダに行くって言ったままで正月まで帰って来無かったでしょう。根津で楠さんと二人に成れば、遣る事って決まってるでしょう。


         抱き上げたらウインクしやがったんだ。言葉の虚しさを言うウインクさ。

    そうだよ、偉そうな事を云っても何時でも二人に成ればウソも隠しも無く成っちゃうのさ。2年前の根津では毎日ドンチャンさわぎだったのさ。そりゃ盗み酒の勢いも有ったけど、酔い潰れたふりをしてパジャマを汚した五十嵐を、自分の部屋に抱いてったのさ。着替えさせてるのを手伝ってた山田の潤んだ瞳に拙いのを感じたんだよ。プール並みの大きなバスには一緒に入って騒いでたのに、既に女が出来上がってるのに逃げ出すしか無かったんだよ。

          ドウして11人の混浴だと持ち上がらないのに、五十嵐と山田の三人に成ったらズボンの前の膨らみが隠せなく成ったのさ。三人だから其処で終わったんだが、五十嵐と二人に成ったら野獣に成るのを抑える自信は無かったんだよ。       



   「 そうか、何を遣るべきかって考えるのは実は行動とはかけ離れた心の迷いなんだね。二人に成れば自然に動くんだね。手を繋ぐのも有るだろうし、キスもお触りもお喋りに勝っちゃうんだ。

         バカだねえ。マリーが居なければ楠さんのバツイチに合体する事しか考えなかったんだよ。

    セックス最高さ。」

で、ドウ成ったのかって言ってるヒマは無かったね。二人ってのが原点で魔法なのさ。お誘いの眠ったフリは何処かに飛んでっちゃって、二人に成る部屋を探したのさ。楠さんの部屋に決まってるでしょう。

   「 鍵掛けて。電氣消してよ。」

と来れば―――朝まで抱き合ったまでしか覚えて居なかったよ。暗闇で何がドウ成ったのかって、三回失神させて二回は眠っちゃったしか覚えて居ないよ。

         何しろバツイチの魔法でね。