「 イタリアはファッションの国だろう。明日はパレルモに出てカーポ市場で産着を揃えようじゃ無いか。」

   「 あら、女の子と決まった訳では有りませんのよ。」

   「 裏切ったら困るなあ。娘だって言い出したのはお前なんだぞ。」

   「 生理が遅れてるって大騒ぎ為さったのは何方様でしたっけ。念の為ってエンサンチャ病院の救急センターに抱いて行って下さったのは何方様でしたっけ。看護婦さんにグラシアスを言われて卒倒為さったでしょう。

         試薬の色が変わっただけですから、明日出直してお父さんの検査もします

   に、逃げ出して1930年生まれの畠山で父親の署名をするって此処に来たのでしょう。」

   

   「 もう勘弁して呉れよ。まさか子供が出来るとはな。」

   「 あら、殿方は皆さん其う仰るらしいのね。柳橋のお姉さんに聞きましたのよ。

         旦那がツレナク当たる時は妊娠で脅かすのですって。決まった様に"まさかって"言うのですって。

   貴男、健康に自信がお有りでしょう。」

   「 何を言うのかと思ったら、俺を病人にしたいのか。」

   「 違いますのよ。今まで出来なかったのが不思議な位なんですのよ。トレヴィからこっち、日毎にお若く成るでしょう。嬉しいので赤ちゃんまでは考えませんでしたのよ。だって燃える様なのを下さるのですもの。此の前から何だか落ち着きを感じて居ましたのよ。わたし好みの貴男なんですから。

         自慢できるのは丈夫なだけなんですのよ。貴男のお元気って私のはるか上を行ってたのですもの。此れでは卵ちゃんも逃げ回ってると感じてましたのよ。


   「 おいおい、俺を化け物扱いするのか。」

   「 全然ノーですのよ。珠樹には狂いそうなお強いのですのよ。何度も失神させられますでしょう。其れがチャンとお請け出来る様に成ったのですもの。

 何時かはと思い始めましたのよ。其れがスーと降りて終わりなんですもの。ご免なさい、殿方に話しする事では有りませんのね。」

   「 良く話して呉れたな。俺は全くのお前任せなんだ。少しは教わって助けに成らなかったら親父失格だからな。」

   「 好いのよ、私だって母に聞いて居たから判りましたのよ。今度は何時もと違うって。女は感じますのよ。手を取り合って巣に辿り着いたのが判りましたのよ。

          全部母に聞いて居ましたの。無口な母でしたが、私が子宮に定着した時から教えて呉れましたのよ。お相手も健康なら、私が着床をチャンと知って赤ちゃんに悪い事をし無ければ流産は無いって。

   私たち二人とも健康優良児なんですもの。私がちゃんと知ってお酒やお薬を飲まなければ大丈夫なんですのよ。」

   「 そうか、生理が停まるのも知って居たのか。」

   「 そっと教えますけど、女は敏感なんですのよ。

排卵も注意して居れば判るんですのよ。

          母には1時間で全てが決まるって教わってましたのよ。何時もでしたらスーと降りて終わりなんですのね。其れがモヤモヤが続いてましたのよ。ドウ成る事かと思ってたのが朝には落ち着きましたのよ。

   私だってまさかと思いましたので黙ってましたの。ご免なさい。」

   そっとハグして下さいましたのよ。何もかもが初めてなんですもの。落ち着いて居て下さるのが珠樹には安心なんですのよ。皆様はドウか知りませんが、私の体なんですから母の受胎をそっくり真似すれば好いのですのね。