「 90人が集まったのって初めて見たいに感じるのよ。」

   「 見方によると思うよ。戸田に居た時は、ボートレースの下見だって良く学生が艇庫を見に来てたんだ。淑徳なんか短大の候補地を探すってバスで来た事も有ったよ。お賑やかな団体さんだったね。」

   「 其れとは違う感じなのよ。最初は着替えるのにオズオズしてたのね。一人が脱ぐと我れ先きに脱いで、長襦袢を羽織ったりお腰を捲いて見たりして騒いだのよ。」

   「 だから見方に拠ると言ったでしょう。17歳と見るか12歳と見るかに拠って受ける感じは変わって来ると思うのさ。」


   「 ハッキリ言ったらドウなの。17歳のスッポンポンを見たいんでしょう。」

   「 誤解だって言いたいけど、僕の頭は10人で狂ってるんだよ。初音町のボロ家で3ヵ月も10匹の白イルカの特訓を遣って来たんだ。ドウ遣ったのかは秘密中の秘密なんだ。」

   「 マリーが知らないとでも思ってるの。楠さんを酔わせて随分聞いたのよ。だからって功が激しいのはマリーが一番よく知ってる―――」

   黙れ何て言いませんよ。自分でも知ってる心算ですからね。


   「 話を逸らす様だけど、僕はスキ・嫌いが激しいんだね。多摩川で暮らしてた時は競馬の関係者と馬主しか付き合いは無かったんだ。最初の何ヶ月かは馬主がレコを連れて来てたのさ。僕がスッポンポンデ馬を泳がせてるのを見てたら、女の人は来なく成っちゃったんだよ。」

   「 うふっ、お馬さんと間違えたんでしょう。黒人の中にもラージサイズは居るのよ。功はチョットだけだけど終わりが長いのが特徴なんですからね。」

   「 ヤだなあ。好きか嫌いかの話なんだよ。男とだけの付き合いを十何年も続けたら、男はお金の亡者に見えて来たんだ。だからご婦人とは人種が違うって決めたのさ。」


   「 其うしときましょう。10人の娘たちだけど、根津に帰って来ると顔が変わるのね。前に並らえで来たのが一斉に衣を脱ぐのよ。同じ年ごろの娘でも、個性の違いでお勉強させられたのよ。」

   「 其んなの特別では無いんだよ。

         胸を隠して順番を待ってても、1人

ひとり皆んな違うんだ。体を言ってるのじゃ無いんだよ。ヌードから心の個性が滲みだしてるのさ

もう、三年の上は一緒に暮らして来たんだから、あの子たちの心の違いは判った筈でしょう。」

   

   「 マリーの立場は微妙だったのよ。功の換わりって事も有るでしょう。一方で馴染まなければが強いから、不思議な立場だったのよ。朝起きると、

         今日は違う角度から見詰めましょうと

新しく見直す日も有ったのよ。何の気なしに振舞う動きからも、皆んなの先に立ちたい子と、真ん中でも好いって子が見えて来たのよ

   其の中からしんがりを認める子は居ないのを知ったのよ。」

   僕には其れが当たり前に見えてたんだ。どんなブスでも後ろは嫌うんだよ。真ん中に居ようとするのが娘の心なんだよ。