何とか十文字の卒業式にこぎ着けたのにスッポカス様で申し訳ありませんが、
アルプスエキスプレスの珠樹とヤー様を呼び出しますのでチョットだけハワイにでも暇つぶしに行ってて下さいな。
たしかリボルノから海岸線を離れて内陸に向かった所だったと記憶して居ます。
「 ローマでお電話して奥様に来て頂いたら。」
執事さんたら勝ち誇ったお顔で笑いましたのよ。
「 ローマまで24時間と聴いてます。家内はイタリアーゼなんです。二重国籍ですのでイタリア外務省の特権が使えるのです。昨日の報らせではカルカッタ経由のフライトに乗ると申して居ましたので、ローマで待って居る筈です。」
ヤー様ったらお惚けのコックリなんですのよ。珠樹に内緒で手配為さったに決まってますでしょう。
2年ブリなんですのよ。気の置ける同性と飲めますのは。珠樹って興奮するとお眠むに成っちゃうんですのよ。
いけませんのね。何度も彼からダメ出しされてましたのよ。
私ってとか、珠樹って言うのは子供だましだって。そうなんですのよ、殿方は" 俺って"
とは仰いませんのね。中学生ですと偶にお使いに成るのを耳にしますのね。確かに娘の幼さな言葉なんですのね
「 言われて見ろ、幼いのを押し付け何だが九割方は甘えの押し付け何だぞ。」
判ってる心算でもダメなんですのよ。彼にはつい、言って仕舞いますのね。確かに執事夫人には
キチッと"私" と言って来た様に覚えてますのよ。其うなんですのよ。"珠樹が"も使った覚えは有りませんのね
甘えが無いのでは有りませんのよ。ヘンに思われるでしょうが、背筋を伸ばした甘えなんですのよ。
いーえ、歳の違いでは無いのですのね。高輪では並んで彼の3Lの下着を畳む仲でしたのよ。
イヤですわ。夫人って彼のシャツの臭いを嗅ぐんですのよ。
亭主と間違えちゃったですって。
サラッと呟くんですのよ。歳の差を感じさせない思い遣りなんですのね。
15の時、出来ちゃったのよ
なんて、まだ何回もお会いして無いのにお洗濯物を畳みながら小さいお声で仰るのですもの。40そこそことお見受けしましたのに、エッチを巧みに絡ませるのですのよ。身構えて居た珠樹にアッサリ肩透かしなんですのよ。下働きの女性が居なく成った高輪では貴重な存在でしたのよ。毎日では無かったのですの。お会いしたいなって日には、ブラッと居らっしゃるのですのよ。執事様と示し合わせて居たと感じましたのよ。今に成って気が付きましたの。落ち込んで居るのをお感じに成る執事さんがお呼びに成ったのでしたのね。多くのお人に援けられて来ましたが、落ち込んだ時の何気ないドッキリには随分助けられましたのよ。