大丸さんは流石だと想いましたのよ。土地に併せた商売上手なんですのね。

       商売って、一点豪華主義で長持ちされる

       物では有りませんのよ。金沢の兼六園と

       カニ料理に郷土の命運を懸けるのは判り

       ますのよ。江戸時代の産業でしたら加賀

       友禅も漆細工も高級品として利益が見込

       めましたでしょう

   明治から100年の日本は軍事大国として一流国に並びましたのね。日本を支えたのは、軍事産業の終わりを見越して居た岩崎と関東平野でしたのよ。

       岩崎は丸の内と鉄に全力を集中しました

       のね。鉄が近代産業の大量生産方式の

       根幹を担うのを知って居て、ハヤブサや

       ゼロ戦で浮かれて居た航空機産業には

       参戦し無かったのですのね


一方で資本を東京一極に集める事で、海軍に奢った大本営が陸軍の無謀な戦線拡大が終わるのを見越して、

       僅かに残された資本を、本社を東京に

       集める方式で分散を防いだのです。極端

       な一極集中ですが、其れが外国資本の

       日本征服を防ぐ唯一の資本主義の防衛

       に繋がったのです

恐らく日本の資本の主流であった岩崎が、

       明治維新に倣って錦の御旗の天皇を

       擁立して霞が関を席巻して居た軍部の

       大本営を除く、全国家権力を東京に集中

       して

アメリカ資本の日本流入を防いだのです。巧妙とも言える官僚と岩崎の勝利なんでしょうが、結果として東京一極が完成すると同時に地方の衰退は防げなかったのです。


   あれ程資本主義に便乗して商売に徹した関西商法も、三井は方向を見誤ったのです。既に東京は丸の内が資本の中心を占めて居たのです。資本主義に徹するのでしたら三井が東京を後攻めするのに日本橋に拘ったのが間違って居たのです。

        丸の内を先取りされたからには、残され

        た東京で利益を確保できるのは

銀座と網の目の様に広がる道路と鉄道が血管の役目を担うのを見越すべきだったのです。


   大丸は流通の基本を土地の購買力に絞ったのです。従いまして京都では天皇と公家を利用・活用した民間の小流通商法に逆らわない地道な商法を選んだのです。

        他方で呉服商に拘る三井は、関西で

        成功した委託商法を拒否する買い取り

        の利益を大きく見過ぎたのです

関西の限られた購買力でしたら、委託販売を拒否した三井の看板での販売利益は大きかったのでしょう。時代の変化はテナント商法が購買力を大きく動かすのを見落として居たのです。確かに小さな資本の販売力では三越が行った全ての商品に三越の冠を冠する商法は大きな利益を上げたでしょう。其れに甘えた結果として、土地が持つ小資本のフランチャイズ商法が、大資本にも匹敵する資金力を持つのを見落としたのです。


    全ての商品を買い取りにする商法が破綻を来たすのを知らなかった経営者の無能が三井の東京進出に齟齬を来したのです。すべでが経営者の資金力に奢った結果だったのです。

   「 大丸さんは京都を良く知って居るのね。何と言いましょうか、

        しもた屋商法に徹して、町家の中にポツンポツンとお店を開いて居る根強さと争わない百貨店を展開してますのね。価格設定では割高の観光プライスを崩さない様にして、オマケ商法でお客を引き寄せて居るのね。娘たちの目が確かだったので、傷物のファーを見抜いて居たのね。お弁当でも土地の仕来りを崩さない京懐石のレートを護る物も置いて有る一方で、中身をオマケした実質本位のお弁当も用意してるのですのね

   此の強かさこそが関西商法なんでしょうね。」

でしたのよ。確かに本物のファーコートなんですが、傷をオマケにして売れない商品を半額近くで処理して居るのでしたのね。娘たちの懐を見越した様な大量販売に成功したのですもの。娘たちの買い物と毛皮の魅力を知り尽くした上で、ムダとも言える何枚ものコートを買わせましたのよ。マリーだって計算して居ますのよ。一人500万円まででしたら13人でも驚くほどの金額には成りませんでしょう。其の中から根津に帰れば無駄が出るのを知って、其の処理の仕方もお勉強に成りますでしょう。そうなんですのね。娘たちは最初から功の目論見を知って居た様でしたのね。マリーこそお勉強に成りましたのよ。