「 バルセロナって100もの顔が有りますのね。」
「 いや、もっとだな。2000年もの歴史には千も万もの顔を作ってるのさ。買い物だってそうだろう。
エルコルティングレスで纏めて来たが、此処からだったらランブラス通りが便利なんだ。土地の連中の市場なんだから何でも揃って居るしな。」
シチリヤのカーポ市場には無い多様性なんですのよ。海産物も豊富なら、スペインブランドのロエベを初めとした女の子に人気のcasualブランドのアントニオ・ミロやマッシモ・ドゥッティ等のシステム・アクションが目白押しなんですもの。
「 ねえ、少女造りにしても好いでしょう。貴男もお似合いで無いとイヤよ。」
其れがお似合いなんですのよ。引き締まった
190センチでしょう。スポーティーと言うよりはサッカースタイルがお似合いなんですもの。負けては居られませんでしょう。ロエベよりもマッシモ・ドゥィティが彼の好みにピッタリでしたのよ。
其れで手を組んで歩いても誰も見向きもしませんのよ。
「 ねえ、キスしちゃいけないかしら。」
「 サンブラス通りなんだぞ。バルセロナの男たちは控えめなんだな。見ろよ、娘たちを庇うようにして歩いて居るだろう。庇われるのがバルセロナの少女なんだ。俺にぶら下がるのは様に成るけど、我慢するのも覚えろよ。」
嬉しいなんてじゃ無いのですのよ。もうヨレヨレに成ってぶら下がって居ましたのよ。不思議でしたの。ランブラス通りって観光名所のコロンブスの塔の有るサン・ジュセップ市場に通じる名所だと聞いて居ましたのに、土地の若い方がそぞろ歩きを楽しむお買い物通りでしたのね。確かに屋台はパルとは違う様式を見せて居ましたのよ。其れだって立ち寄るのよりは冷やかして歩く若者が多いのですもの。長い串に刺した焼き鳥を見付けて、一つずつ変わりばんこに食い付きながら歩きましたのよ。誰にも見咎められませんでしょう。バルセロナの自然を又一つ見付けたサンブラス通りでしたの。