「 ねぇ、オーストラリアの人たちにも協力して貰ったらドウかしら。」

   「 と言うと?」

   「 だって、あの人たち船のベテランだと言っても、出来てる貨物船に乗るわけでは無いでしょう。選んで手に入れるのも大仕事だけど、オーストラリアには船に詳しい人だって居るでしょう。例えば商売人が作るのですから、バレ無い様に手抜きだって有るでしょう。其れを見抜くのはヤッパリプロに任せたら好いんじゃないかしら。」

   「 そう言う考え方も有るね。マリーはどんな気持ちで生きて来たのかは知らないけど、見てると選択肢の中で安全が優先してるみたいだね。其処が男の生き方と違うんだよ。子供を考えれば判るんだ。冒険と言うか不安定にチャレンジしたいんだよ。安全な木に魅力は無いんだ。ワザと危険な細い壁の上を歩きたがるのさ。下から見てるお母さんは例外なしに叱ってるね。何処まで許すのかは難しいとしても、男のチャレンジ精神を無視しても好い結果が出るとは限らないでしょう。」


   「 判ったわ。あの人たちのチャレンジに任せろって言う事なのね。」

   終ったと思ったのさ。あまりにもセックスの目で見てたんだ。ヘンな言い方だけど女としては特級の女性なんだ。だから大人の部分を軽く見てたんだ。

ハーバードではドウだったか知らないけど、芝浦では大人の10人と暮らして居たでしょう。此れがG I だったら子供みたいに育ちが悪い奴も入って居た筈なんだ。其れがイッパシノ船乗りに囲まれていたら、大人を通さなければに成って居たんだね。

        子供っぽい僕と取っ組み合いをしちゃっ

        たから、マリーの中の子供に目覚めた

        とも言えるのさ

   「 止めてよ、子供に帰りたかったのとは違うのよ。」

   「 其んなの言って無いでしょう。あの日は僕を子供と決めつけて追い払おうとしたでしょう。大人を通そうってのが見え見えだったのさ。女の癖にって其れが癪に障ったんで有んなに成っちゃったんだ。傍で見て居たボースンが停めないで出てっちゃったでしょう。マリーを女と見てたんだよ。

        恐らく危険な海を乗り切って港に入った

        ら女を探したと思うのさ

ずーとマリーに女を感じてたから出てっちゃったと思うのさ。」


   「 勘繰りが過ぎるんじゃないかしら。ボースンはずーと相談役に徹してたのよ。見てて判ったでしょう。ワザとミニで挑発してるのに乗って来なかったのよ。何時だって何人かで来て、二人だけってことは無かったのよ。」

   「 そうかなあ。あの人たちと付き合って随分考えさせられたんだ。僕が子供だってね。見てるとチャンと分けてるんだね。商売人としての僕とマリーに甘えてる時のガキノ僕とね。最初ボースンはプラトニックをしてると思ったんだがまるで違うのさ。皆んなに男の生き方を見せてたんだよ。今度だってチャンと兵庫の海運局から入ったでしょう。知ってるのさ。船を纏めるのは海運局だってのをね。ドウヤッテ書類を手に入れたのかは知らないけど、役所はルール通りに押すのが一番だって知ってたのさ。」


   「 ちょっと買い過ぎじゃ無いかしら。あの人たちがお化粧品を抜いてたのは知ってたのよ。其れで女を釣ってたのね。だからマリーは安全だと思ってたのよ。」

   「 其れで好いのさ。マリーは女だから安全が優先するんだ。男の性とは言わないけど、買った女に港の女を感じて居たとすると海を乗り切る船員魂って言うのかな。其れも味わってたと思うのさ。だから貨物船に触って見て興奮が抑えられなかったのだね。其れをボースンが海運局の指導船で回ったって言ってたでしょう。一番確かなやり方を知ってたのさ。もう海に出た気分だとしても、責任って言うのかな。何が必要かってのは知ってるのだよ。マリーの気持ちも判るけど、高い塀の上を歩きたい気持ちも察して遣って欲しいんだ。」

       判りませんって顔だったよ。姉さんの顔なんだ。だからどうしても乱暴に成っちゃうんだ。其れを受けて呉れるから始末が悪いのさ。空に成るまで何回も失神させてイタブルっての堪まらないんだ。教えられないけど曲者ったら長い手と足だけじゃないんだよ。気持ちが良く成ると体中からあの時の匂いに包まれるのさ。興奮してるのが手に取る様に伝わって来るので僕も満足なんだ。男として凱歌を挙げたく成るのさ。変態なんかな。ドウでも好いけど楽しいからついつい襲って仕舞うのさ。