カサ・パトリョにお引越ししたのでしょう。
って、少し違いますのよ。レイ・ファン・カルロスは
モンジュイックのお池とセットなんですのよ。カルロス亭の年契約を5年に延ばしましたの。ホントは30年契約にしたかったのですのに、スペイン支局の契約なんですから、
仕事が無い奴等も足掛かりとして遺して
置くのにはマアマアだろう
に、彼もご満悦なんですもの。
そうそう、カサ・パトリョでしたのね。レイ・ファン・カルロスの落ち着いた佇まいとは違って、
如何にも此れがピカソ流ってハデハデ
何ですのよ
ベッドだって何と言うのか知りませんが、四隅に柱が有って蚊帳が垂れてる如何にもお閨って感じの中世風が其のままの家具なんですのよ。
「 此れじゃあラブホテルだろう。そうだ、使わなければ好いんだ。」
いーえ、珠樹の少女趣味にピッタリなんですもの。もう嬉しくってまくら投げに巻き込みましたのよ。
まだ東大生其のままなんですけど、今夜は徹底的に焦らす心算なんですのよ。
何処まで我慢出来るかは存じませんが
高輪の6年でも何度かは此れを感じた夜
も有りましたのよ
彼ったらお休みに成らないのですのよ。家具の白いカバーを捲っては扉を開け閉めして確かめてお出でなんですのよ。此んな造作にはお慣れな筈ですのに、何とも落ち着かないソワソワが見え隠れして居ますのよ。珠樹は着かず離れずで後ろに寄り添って居るのですもの。
面白いのって、スレスレにお誘いしますと何時もには無い興奮をお見受けしたのですもの。90キロの大男が小さく成って珠樹の弟分に近付きましたのよ。
此れをメルヘンに持って行くのが少女
珠樹の腕なんですのね
何時もでしたらお顔の汗は珠樹のハンカチで拭いて差し上げますのに、カサ・パトリョではそっと手渡して俯いて仕舞いますのよ。お芝居の面白さも初めて感じましたの。少女と駒場の一高の弥太郎坊やとでね。