「 ねえ、あの人たちにお給料払わなければいけないかしら。」

   「 そうだね。僕は独りで生きて来た様に思われてるけど、質屋の親父さん達とは早くからの付き合いが有ったのさ。其れって全部商売の付き合いなんだ。だからお金が絡んだ人間関係は知ってるのさ。」

   「 マリーは逆なのよ。商売に着いては触れないようにして来たのよ。判るでしょう。貰う立場なんですから物欲しさを見せるのが嫌だったのよ。」

   「 其れなんだよ。幾ら公平に見様としても一方からの見方しか判らないのさ。質屋の親父さん達と付き合ってると、お互いにお金から入ろうとするでしょう。悪い面も有るけど、却って相手の裏を読むところから入ることが多いのさ。つまり自分の独善に成ると商売って成り立たないのさ。マリーが言うならず者たちがお給料が欲しいのかってとこから入るのはマリーの独り善がりに偏らないのに役に立つのだよ。早い話が僕に相談されても答えようが無いと思うんだ。」


   「 そうなのね。マリーとあの人たちの問題なんですからね。」

   「 一概に其うだとは言えないのさ。質屋の親父さんの話しか出来ないけど、僕に相談して来る時は殆んど自分では決めてるのだよ。前に行った晴れの日だけでは無いってのも入ってるのさ。つまり旅慣れた年配者だと、色んなケースを潜り抜けて来たでしょう。だから最後の締めを僕で確かめようって事も有るのだよ。最後に決めるのは親父さんなんだが、

        石橋を叩いて渡るじゃ無いけど、子供

        の僕がプロの親父さんと同じ答えを

        持って居ないのを知って話を持って

        来るのさ

プロの遣り方なんだね。決めるのに独り善がりに落ちてるのを恐れるのさ。商売の話なんだけど、僕だって独り善がりに成りがちなんだ。マリーに相談しても、マリーとアレを遣っても変わらなくても相手の立場で考える様には成るでしょう。」

   「 待ってよ、どうしてセックスに持って行くのよ。マリーが飢えてるとでもウッ、ダメって言ってるでしょう」

   に成っちゃうのさ。平和だね。