「 スペインがって言うよりも、バルセロナのパルが少しは判って来ましたのよ。カテドラルにも美術館にもパルが着いて居ますのね。」

   「 そうなんだ。パル有ってのカテドラルに思えるのさ。

      お賽銭を挙げなければ飲むのもハバカラ

      レルと思ったから中に入って見たら

何処でもミサが開かれてるだろう。帽子が回って来るから小銭でもと思うのだけど、何処でも10ペソ札が入って居るのだな。不思議なんで息を吹きかけて見たら張り付いてたのさ。上手く仕組んだものなんだな。観光客の入場代に成ってるのさ。」

   「 そうでしたのね。カテドラルのミサにお参りしている方って観光客だったのですのね。道理で街で人影が見えないのが判りましたのよ。上手く考えたと言うよりも、神様にお参りするのがバルセロナの観光なんですのね。」


   「 そうなんだ。日本でも似た様な仕組みは有るだろう。四国の霊場参りも同じ事なんだな。

       伊豆の大島は一度来て呉れれば1億人

       の観光客が呼べると言われたが

バルセロナのカテドラルも同じ仕組みに成ってるのさ。スペインだけでは無いぞ。イタリアでもシチリヤでも、カテドラルは有ってもパルは無かっただろう。好いでは無いか。美術に関心が無くてもパルが併設されて居るだろう。モンジュイックのカタルーニヤ美術館も、とても一日では回り切れなかったな。庭に作られたパルデ一休みすれば、二階も見様とするだろう。最初は美術を押し付けない配慮かと思ったのだが、どうやらパルが本命の感じなんだな。」

   「 だってオリンピックも万博も、モンジュイック城

で開かれた見たいですのね。あの広い森に、ミロ美術館やカタルーニャ美術館も考古学博物館を初めとして、幾つもの展示会場が作られて居るのですのね。財政が豊かだから出来るのでしょうが、スペインの奥の深さには目を見張りますのよ。」


   「 好いではないか。二人の関心はパルなんだろう。のんびりカテドーラルにお参りして、帽子に張り付けてある10ペソ札に併せれば文句は無いのだぞ。此んな判り易い観光は無いだろう。ピカソだって彼の美術館が幾つ有ると思うんだ。マラガには彼の生家も残って居るし、特設の美術館には飾り切れない作品が貯蔵されてると言われてるのさ。マラガにはパルは無いそうだから、バルセロナのピカソに敬意を表してパルで散財すれば好いのさ。此んな肩が凝らない美術の鑑賞は他では出来ないぞ。」

   仰る通りなんですのよ。朝とお昼はパルに決まりましたでしょう。レイ・ファン・カルロスのディナーって遅いのですのよ。バスの軽い一戦で着替えてワインをヒトビン空けるのがタイミングとしてはグーなんですのよ。

      あら、お泊まり客も数組しか居らっしゃらな

      いでしょう。チップを差し上げるのにディ

      ナーに帰る決まりにしちゃいましたのよ

時にはお箸を使う事も有りますのよ。彼のお口からハムを取り上げますのに、ウエイトレスさんが壁に成って下さるでしょう。もうクリスマスもバレンタインも越しましたのに、相変わらずの不作法が板に着いて来ちゃいましたのよ。

      お前の立ち姿の有りの侭がレイ・ファン・カ

      ルロスのディナールームの立ち姿に成り

      始めたな

と、お笑いなんですのよ。もう根城は変わらない様ですのね。