「 スペインでツーリストビューローを為さろうとお考えでしたら、マドリッドは外せないでしょう。」
「 マドリッドは岩崎支局のテリトリーなんだ。奴らだって観光業務を考えて居ない筈は無いのさ。俺が現役時代からも何時も観光が取り上げられて来たのさ。マドリッドの調査も終わって居る筈なんだが、何に拠りも現地の摩擦は避けねば成らんのさ。出資して提携するにしても、バルセロナとは違う摩擦を考えて置かねば成らないのさ。今回は日本で生まれて教育も日本で済まして居た男が居たから、何とかバルセロナの協会も容認したのさ。まあ、彼の実家が有るピークに本社を置く事で、バルセロナの協会も渋々では有ったが協会員として認めたのさ。」
「 ご免なさい。何のお手伝いも出来ませんでしたのにーーー」
「 好いんだ。お前が居たからこそバルセロナに骨を埋める気に成ったのさ。何が其うさせたのかはお前と同じモンジュイックの素晴らしさとパルの自由が有るからなのさ。」
「 嬉しいわ。レイ・ファン・カルロスのお庭も素敵ですけど、パルが珠樹のお台所の感じなのですのよ。貴男におみおつけやお新香を作って差し上げられませんけど、何となくパルの雰囲気が好きなんですもの。」
「 俺も同じなんだ。マドリッドにもパルが有るのは知ってたが、何時も支局の連中と一緒に動いて居たので、野郎だけでは入れなかったのさ。土地に馴染むってのは難しいんだ。バルセロナが俺を受け入れて居るのは半分はお前が居るからなのさ。最初は和服で通して居ただろう。ヨーロッパの何処に行ってもチャイニーズの扱いをされて居たのさ。スペインは対日感情が好い国なんだ。マルコポーロが東方見聞録に刺激されたと言われて居るが、俺は違うと思うのさ。ダリやピカソがフランスでは反感を持たれて居るのに、スペインでは浮世絵の文化を其のまま受け入れたのさ。ゴヤやグレコを初めとした前衛画家が、浮世絵の特殊描写の中に、ヨーロッパでは考えられない遠近法を敢えて無視した芸術性を見抜いて居たのだな。浮世絵其の物は300年前に伝わったとされて居るが、パルの装飾にも味付けの中にも日本が生きて居るのも感じられるのさ。どうだ、中華料理の特徴は取り入れて居ないだろう。女の目で見て
油で揚げる手口が多いのに、中華料理
の炒める遣り方は少ないだろう。中華
料理では何にでも油を使うのに、意外
にサッパリ味が多いだろう
パルの料理に馴染めるのは、日本に似た味付けも原因してると思わないか。」
仰りたいのは其れでは無いのですのよ。珠樹が芸者を隠さないのがご自慢なんですのね。確かにアラサーと仰っても通りますでしょうが、何方かと言いますと
珠樹の赤ちゃん肌に併せた青年で
認められたいのが見え隠れして居ますのよ。
見ててご覧あそばせ。細工は流々
ですのよ。ロリコンも少しは加えて
青年の性の発散を仕上げてご覧に入れますのよ。
芸者珠樹って其んな使い方も有りますのよ。