「 わしの経験から言うのだが、世の中に特別な物は多くは無いのだ。長続きする者も有るには有るが―――」
「 何を仰りたいのか想像はつきますのよ。
此のジロナを特別とは思わない様にって仰るのでしょう。バルセロナと似た様な物だと。」
「 其う考えるのも好いとして置こうか。わしの経験と言ったのは、仕事の上での経験なんだ。つまり儲けが有るか無いかが真っ先に考える事なのさ。良く
利益と計算は後でも好いと言うが
其れを人に向かって言うのでは無いぞ。自分の心の中では何時でも忘れたら落とし穴が待って居ると思わねば成らないのさ。」
「 女って気が小さいのよ。ケチだって仰る方も居るけど、大きく構えられないだけなのよ。縮こまって居ると益々小さく成っちゃうのね。争いの多くは見込める物が違うからって始まる事が多いのね。ドウでも好いって構えられ無いことが多いのよ。生きる世界が小さいでしょう。ですから
ドウでも好いって大きく構えられ無い
で何でも後回しに成っちゃうのね
ズルく考えてるのでは無いのですけど
行列の後について、じっくり待てない人が多いのよ。」
「 ふーむ、何を言いたいのか判らないな。此れだけは判るが、大きく構えるってのは豊かだから出来るのさ。見返りが小さかろうが大きかろうが、たいして差が無いと思えるのだな。だけど其ウばかりも言ってられ無い事も有るのさ。此のペニンシュラホテルもそうだが、払う金に見合うサービスが有るかを考えて仕舞うのだな。多くはドウでも好いサービスなんだが、其れを割り切れないのが人間なのさ。どうだろう、山登りも旅なんだから何を望むのかを見返りを決めるのから入ったらドウかな。わしはガイドがまともなら好いと思うのさ。大きな期待は持てない前提から、一人のガイドに期待するのは無理だと思うのさ。お前は何を期待するのかな。」
「 そうね、決めろと言われても困るけど、出来たら山小屋でも好いから、休める所が有るルートを選んで欲しいのよ。100㌔と仰ったでしょう。一日で歩けるのは無理が無いのは何キロくらいかしら。ガイドさんの足では無くて珠樹が歩ける距離からは言って欲しいのよ。其れに休めるお宿でも有れば好いけど、大きな期待を待てと言われたら温泉が欲しいな。」
目一杯言いましたのよ。だって三人もガイドさんを雇うんでしたら、見返りを言ってもって思ったのですのよ。