夜のお話でご免なさい。バルセロナの昼は夜よりも長かったのでしたのね。お休みに成って珠樹をお求めに成る僅かな時間が全てでも有りませんし、無視仕様とも思いませんのよ。でも
珠樹も抱かれるのを求めますし、其の
時だけは全てを忘れて居られる
と仰って、珠樹の胸に汗をお流しに成るのって二人だけの時間なんですのよ。其の何時間だけが一日だとは申しませんが、此れこそ気取りも隠しもうらやみも、何もかも忘れた時間なんですのよ。特別に大事に何て思わなくても、求め求められるのって素敵なんですのよ。大きな男が小さな珠樹に入って来て泣くのって、例え様が無い瞬間なんですもの。
そうでしたのね。バルセロナの散策に戻しましょうか。
「 ドウだろう、何処かで弁当を造れないかな。」
「 あら、珠樹も同じに思ってましたのよ。バレンシアのパールでしたらパエリヤが出て居ましたのでご飯は求められると思いますのよ。バルセロナのパルにはパエリヤを見掛けませんのね。お結びが出来ればとは思いますが、サンドイッチでしたら何とか成るとは思いますのよ。」
「 そうだな、モンジュイックに行く前に、エルコルティングレスに寄って見ないか。弁当に成る物が有るかも知れないだろう。」
エルコルティングレスって大きなデパートなんですのよ。ディアゴナル通りの中心に位置する地下二階が食品街に成って居ますのね。土地のお人ムキに作って有りますから軽食のカウンターも有りまして、チョットしたお弁当も作って貰えますのよ。携帯用の水筒のフロアも教えて下さって、勇んでモンジュイックに出掛けましたの。
風が気持ちが好い事。噴水の周りでお弁当を広げて
「 昼には未だ間が有るだろう。」
お叱りなんか何の素ので、彼の分を食べちゃいましたの。珠樹のはチャッカリ残して、卵焼きとプディングはお先に失礼しちゃいましたのよ。だって
早い者勝ちでしょう。コツが有りますの
よ。片手で目を塞いで食べちゃいます
のよ。見つかって半分取られますでしょ
う。大きなお口には敵いませんけど
小鳥の珠樹なんですから返して下さいな
って、ヒナを装って取り返しますのよ
周りの観光客って皆様ご年配なんですもの。少しヒネタ青年のヤー様と其の彼女でしょう。見ぬフリを為さって居ましてもバルセロナの神様がお許しに成って下さる事に決めて居ますのよ。
「 サッカー場が有るそうなんだ。足を延ばそうと思うんだけど」
此の際はイヤイヤが効きますのよ。25歳をかなり幅広く使いますのよ。15まで化けるのなんてお手の物なんですもの。
「 覚えて居らっしゃい。今夜は許しませんのよ。」
ニヤニヤ為さっても今夜の怖さはご存じ無いのですのよ。もう覚えましたから、袋が熱を持つ寸前まで閂は閉ざして置きますのよ。額の汗の頃合いを見てお注射をお請けするのですのよ。針が突き刺さるのって、もうイヤ――――