サグラダ・ファミリアの階段を昇りましたの。お客様の流れに押される様にしてね。皆様ご年配の方たちですから、休みながらのんびり昇るのです。
孫娘とは言うよりも、此れからお嫁に行く
娘の親孝行の心算に成りましたのよ
嬉しそうなお顔が笑って居ましたのよ。バルセロナの自然に合わせるので、珠樹もホッとしたのですもの。
もう気張りませんのよ。レイ・ファン・カルロスに戻れば芸者珠樹に変身すれば好いのですもの。8年目で自然な25歳を取り戻しましたのよ。
「 何を考えて居るのかが判るのさ。バルセロナを楽しもうとして居るのだな。ワシも観光客に成れば好いのだろう。」
「 自然を取り戻しましたのよ。宿に戻れば若い芸者がお相手いたしますもの。スタミナを残して下さらないと怒りますのよ。」
もう、じゃれるのも控えましたのよ。まだまだバルセロナを見て廻りたいのですもの。サグラダ・ファミリアに圧し潰されるのから卒業した感じでしたのよ。観光客の列に混ざってゆっくり階段を昇りましたの。
よっぽどハイヒールを脱ごうかと思い
ましたのに、握って下さる彼の熱い
お手から心臓の響きが伝わって来る
のですもの
娘で好いのだ。爺様に見られ無ければな。でしたのよ。
明日も明後日も、バルセロナを堪能しますのよ。お二人のガイドさんには交代で案内して頂きますのよ。ご身分をドウコウよりも娘としての父親に見えますのよ。
「 おう、ワシも其れで満足なんだ。何だか気が楽に成った想いなんだ。明日は傍のグエル別邸を見てバルセロナ・サッカー博物館に足を延ばそうじゃないか。大学時代に齧ったサッカーが思い出されるのさ。」
初めてでしたのよ。大学をお話に為るのが。聖心に通う運転手さんも大学は避けて居らっしゃいましたので、お聞きするのは何かと思って居ましたの。今夜はジックリ駒場の一高からお聞きし様と思いましたの。そうなんですのよ。レイ・ファン・カルロスのバーで、女性三人に囲まれた夜をお過ごしに成るのも一興かと思ったのですのよ。