「 マリーに娘たちと同じ頃を思い出せって言ったってムリに決まってるね。其れはマリー一人の思いだからなのさ。娘たちの一人々々の思いは違ってる筈なんだよ。僕が見ててもまだ幼さが残ってる子も居れば、大人とも言える子も居るね。第一、子って言うのが間違って居るのさ。見てれば判る筈なんだけど、子って言われてむかつく娘も居るのだね。まだ幼さが残ってる娘なんか其れを売り物にして仲間に甘えてるのさ。子供なんだからって僕にも甘えて来るのだよ。其れを只叱っても解決には成らないのだ。僕は逃げちゃったから好い様な物だけど、マリーは難しい立場に立たされてるのさ。他の娘たちの顔色がドウ変わるのかも有るからね。」

 

    「 そうなのよ。マリーはあの子達を子供部屋から離れられない年代だと思ってるのよ。入るのを拒否するくせに、自分の部屋に入れるのを親しみに利用してるのね。此れって大人にも有る癖のね。立ち入るのをシャットアウトする壁で敵と味方を選り分けてるのよ。女の特徴とも言えるけど、一概には其れで性格を決めるのは拙いのね。買い物なんかでもお財布の中身をわざわざ見せる女も居るのよ。一部の女なんだけど、見ててイヤに成る時も有るのよ。」

    「 うーん、マリーが女だから其れを感じるのだね。僕が見ても感じない人も居るのだよ。つまり男はマリーと違う視線で相手を見る時も有るのさ。甘えの話なんだけど、娘たちは其れが通じ無い相手も居るのは知ってるのだよ。つまり僕とマリーには違う顔を使い分けてるのさ。一種の年代の使い分けなんだけど、其れは無視できない場合も有るのさ。さっきの子供部屋もそうだけど、親は其れを認めないで入って掻き回すから事件に成るのだよ。何処で何時から卒業するのかは難しいとも言えるのさ。僕だったら男の癖を使うってのも有るけど、マリーは何とも言えないでしょう。困るのは今よりもっと先に成ってからの方が複雑に成るのさ。其れは先の事として、今はハーバードを使って見る事だね。」


    難しいのは此の感情問題は放って置くと独走するのだよ。一応は来年三月までにメドを付けたいけど、其れで終わりには成らないから困るのさ。混乱を背負い込むのは娘たちなんだよ。駆け込み寺を用意しとくのが実家なんだけど、どの時点で駆け込んで来るのか、其れをドウ受け止めたら好いのかは、母親役のマリーの仕事だから困るのさ。今はマリーと娘たちを五分五分に見てるけど、長い間には個人差が出て来るから調整は一生物に成りそうなのさ。仕方が無いってね。