僕みたいにひねくれた考えを持ってる男にはマリーは貴重な存在なんだ。僕の言葉に耳を傾けて呉れるのってマリーしか居ないんだよ。話し相手が居ないのとは違うんだ。仲間に入れないのだって覚えちゃ居ないよ。どちらかと言うと口が重い種類の男なんだ。娘たちのお喋りの中に居ても、聞いてるだけで楽しいのさ。そりゃ、チョッカイを出してくる子も居るよ。神田市場の倉庫の屋根裏では、親方が降りて来るのと入れ代わりに梯子を上って行って娘たちを綺麗にしてたんだ。内緒だけど、おへそに吐き出してた子ばかりじゃ無かったよ。農協の依頼で保証人に成って直ぐ辞めた子も居たし、霞の様に親方に絡まれてた子も居たよ。
だからって足を洗うのは早かったよ。僕は伊勢湾台風で市場をおさらばしたけど、あの子達は示し合わせて来なく成ったんだ。親方たちはナンダカンダと僕に聞いては来てたけど、惚けるのなんてオチャラカサイサイだったのさ。リーダー格の親方のノミを助けて居たので、
ロリータが忘れられないのですね。
なんでしたらもっと若いのを
お世話しましょうか
で、皆んな黙って手を引いたんだ。西部劇の10メーターの鞭で大根の輪切りをしながら笑い話にして居たから、誰も手を出さなかったんだ。ヒモでも無いし女衒とも思われて居なかったから、
連れ出して呉れるのなら
って、誘って来る子も居たのだよ。
マリーもその間の事情は聞き出して居たのだよ。だから根津中の3年から娘たちと一緒に暮らしてれば、生涯の付き合いに成るのは承知して居たのさ。
「 皆んなに100億の自立資金を渡すから、何も無ければ僕は忘れられる存在で居たいのさ。マリーは別だよ。聞いてたとは言え生臭い関係の外に居るお姉さんなんだよ。どの程度の関係に成るのかは僕を外しての方が都合が好い時も出て来る筈なんだ。其処が男と女の違いなんだから、適当にって言ってもマリーには無理かも知れないね。此れからあの子達は違う育ちをする筈なんだ。マリーも其れを知ってて、チャンと併せて育って欲しいんだよ。」
もう、歳の差は何処かに吹っ飛んで居たのさ。半分は僕が作って居た途方もないお金がマリーを変えたのさ。
捨てられないのがハッキリしたので
10人の娘たちと並べば好いのでしょう
だったのさ。セックスは別だよ。誰れでもそうだけど、一緒に暮らしてればふすまを隔ててなんて普通じゃ無いでしょう。僕は激しいからってマリーだってマダマダなのさ。だから連チャンに成ったって――――終わり。君も頑張るのだね。