「 あの子達は僕にも青森の話は言おうとし無いんだよ。忘れ様とするだけでは無いのさ。10人が抱えて居る問題に差が有る様に感じるんだ。子供時代が其れほど悲しいだけでは無い子も、皆んなに併せ様としてるのさ。最初会った時は暮らしに差が有るのは感じたんだ。其れが買春に入ると全員同じ思いを持とうとするのに気が着いたのさ。頼りになる人が居ないってのは、逆に10人の結束を促した様だったのさ。」

    「 其れはマリーも感じたのよ。カナダ旅行を始めたでしょう。最初は初めての飛行機にも興奮は凄かったのよ。マリーの事は功が何も話して無かった見たいだったのね。お互いの白紙からのスタートがチャンと相手を見極めるのに繋がったのね。功との出会いを思い出したので、言葉から入って見たのよ。日本語とチャンポンでしょう。ヤッパリ言葉が判るってのが慣れるのに一番だったのね。

       「 此の人何よ」

       「 功の女で何が悪いのよ」

から入ったのよ。

       「 女ってスケの事でしょう」

       「 スケ何て言葉を使うんじゃ無いのよ

        此のアバズレが何よ」

から一気に解れたのよ。功がハーバードのトップで学士証を持ったのは教えといて呉れたのね。ですから奇妙な関係から始まったけど、違和感が無く成るのは根津のお風呂が有ったからなのね。」


    其んな話から始まったのさ。お互いに触れようとはし無かった大学選びに真面目にとっか掛かったんだ。

    「 彼女たち成りに調べてる筈なんだ。大学って十文字とは違う世界なのは教え合ってると思うのさ。其れを聞き出そうとしても無理が有るでしょう。そうかと言って知らぬ素振りは却ってマリーとの仲に壁を作る物なんだよ。」

    「 そうなのよ、ですからマリーも困ってるの。」

    「 あのね、困惑してるのはお互い様なんだよ。何処から解すと言っても共通点は僕がお金は出すって事しか言って無いんだ。彼女たち僕の仕事も知ってるから、期待は大きいとも言えるけど今は不特定な期待なんだ。其れを現実に持ち出しても好いけど、お金も彼女たちのスケールと違うからドウした物かと迷ってるのさ。」


    「 そうなのよ。マリーは考えるんだけど、あの子達の夢を膨らまさせて挙げる方が好いと思てるのよ。功のお金を夢として生かすのにハーバードを使って見様と思ってるのよ。マリーは特待生だったからお金には縁が無かったのよ。でもケネディーのお嬢さんなんか底なしのお金をばら撒いてたのよ。其んな話から大学とお金の話に持って居ったらって思ってるのよ。」

    マリーはハーバードを伏せて居たんだ。喋れば自慢に聞こえるのを知ってたからなのさ。

    「 其れは好いと思うよ。彼女たちの心の中にも不安を少なくするのに現実を知りたいって思いも有る筈なんだ。そうだね、ハーバードってあの子達の中では現実でも夢でも無いのだね。其れを巧く使えるかドウかはマリーの腕次第なんだ。一歩間違うとマリーが傷つく結果に成るかもなんだよ。其処ん所をすり抜けてくって難しいのだよ。」

    不敵な笑顔を作ったのさ。僕の先を行きますって微笑みなんだ。8年の成果かも知れないし、煽てられるのにハーバードを持ち出されるのは悪い気はし無いのさ。僕だって不敵な亀さんで応戦したのさ。マリーがハーバードを持ち出すからには、かなり話が煮詰まって居る筈なのさ。マリーに対抗するのには此の手しか無いんだよ。ヤッパリ3時間に成って、お互いの腹の内は大方知り合ったんだ。