「 僕も娘たちも買春は東京に出て来た女の仕事だと思ってたのさ。政府が遣ってた失業きゅさいの事業って、日給240円で鍬で道路のくぼんだ所を均す仕事だったのさ。スコップなんか無いから空襲で焼けたクワの柄を木の棒で挿げ替えたクワで道路のアナを埋める仕事しか無かったんだ。東京中に掘ったて小屋の屋台が作られて居て、昼間でも其の屋根裏で500円で女の子とナニがヤレタ時代だったのだよ。其れしか仕事が無かったんだ。だから娘たちも買春には其れほどの罪悪感は無かったのだよ。」
「 そうだったのね。マリーは進駐軍で日本の占領に加わって居たから、日本社会がドウ成って居たのかは知らなかったのよ。あの子達綺麗な体なのよ。傷一つないけど、生理の日なんか殆んどマリーに始末させるから、驚くほど綺麗なのよ。外陰唇も出来て無いしまだ処女でも通って仕舞う程なのよ。ドウ遣って男を扱って居たのか聞いて見たいくらいなのよ。」
「 其れって育ち盛りの筋肉はチャンとすれば――――いけない、其れって内緒事なのさ。日本には昔から伝わるビデに変わる始末のやり方が有るのだよ。終わるとガーゼのタオルと漢方薬を持って屋根裏に登って始末して居たのさ。だからあの子達とは切っても切れない仲なんだ。毎日10人の後始末をして居て
お金が有ったらなってばかり考えてた
のさ。お金って一種類じゃ無いんだね。買春で得た1万円もデパートで払う1万円とは違うのだよ。盗んだ1万円とも違うし、拾った万札とも違うんだね。僕は考えたんだ。よし、
珠樹の旦那の弥太郎さんの退職金が
100億だって言うのだから
東京の頂上に居るお大尽たちも若い娘を囲いたいだろうってね。其れにまんまと成功したけど、今溜めてる800億に手を着けるつもりは無いのさ。質屋連合の裏銀行の利子は月3分なんだよ。複利計算だから定期に組んで置けば2年で倍に膨らむ計算に成って居るんだ。手は付けないよ。マリーのロンダリンでオリンピックが終わるまでそっとしとく心算なのさ。弥太郎さんの執事が余計な事をして呉れたんだ。僕のシャドーバンクの50億を、岩崎銀行に移しちゃったのさ。利子は無いに等しいんだけど使うのは此の50億にして欲しいんだ。このカードは僕の当座の裏カードなんだ。娘たちとマリーの為に自由に使って欲しいのさ。元はと言えば川崎競馬のノミ屋の利益だから、全部使ったってドウって事は無いお金なのさ。」
マリーにカードを渡して娘たちとマリーが凹まない様にして貰ったのさ。お金って此んな使い道も有るのだよ。