「 マリーはアメリカに此れと言った頼りになる知り合いが居るのかな。」

    「 ドウシテ其んな事聞くのよ。マリーがアメリカで孤立してるって言いたいのね。」

    此れって凄く言い出し難かったのさ。芝浦キャンプで暮らしてた2年の間にも、電話をするのは公的な用事だけだったんだ。ハーバードからの電話も無かったし、第一手紙が来なかったのさ。当時は

       2年で除隊するのだから、マリーとの

       生活もバイバイに成るのだから

と、深追いはし無かったのさ。


    その後のオーストラリアの2年と、日本に呼んでからの2年の間にも、誰れかと連絡し合うって無かったんだよ。確かに15歳の娘10人をカナダに連れて行ったのにはカナダ入管の特別な配慮が有ったと聞いて居たよ。

       アメリカの黒人の扱いは知らないけど

       私生活が何も無いってのは、人権が

       日本とは違うのかも

位に軽く考えてたんだ。確かにアメリカのパスポートは持って居たよ。其れよりもオーストラリアのパスポートのスタンプが多かったので、オーストラリアの国籍を取って居たのかと思ってたのさ。


    「 おかしな話だけど黙って聞いて欲しいんだ。」

    かねてから聞こうと思ってたマリーの私生活を問い質したのさ。下手をすると過去の因縁にまで踏み込むことに成るでしょう。

    「 ハッキリしときたいのはマリーの昔をドウコウ言うのじゃ無いのだよ。僕にはドウでも好いマリーの昔なんだからね。僕がマリーに求めてるのはマネーロンダリンとおま××だけなのさ。でもはっきりしときたいのは

       懇意にしてる友達が居るのか

って事と、

       女性の誰れもが求めて居る女友達

を求めないのかって事なのさ。僕の立場で言うと、何か有った時連絡すれば駆けつけて呉れる知り合いは何人かは居るよ。其れよりも今の10人の娘が一生の知人の気がするのさ。僅か7年ソコソコの付き合いだけど、彼女たちに取っても深い因縁が有る関係なんだ。此れからも離れる事は有っても切れない繋がりに成ると思うのさ。」


    ドウもしんみりした話に成っちゃったんだ。此れだから避けてたんだが、娘たちの進学が近付いたら、マリーの立場もハッキリして置かねばに成ったのさ。

    「 功が言いたいのは、娘たちとマリーの関係の事でしょう。年が17も離れてるからだけでは無いのね。マリーの黒人が娘たちに取ってドンナ位置に居るのかをハッキリしたいのでしょう。人種の違いは其れなりに難しい問題が有るのよ。ハッキリ言うと

       娘たちとマリーの問題以前に、功と

       マリーの間の人種差別もハッキリ

       させないで来た

解決が先かも知れないのね。此れって功と結婚する以前の問題なのね。今ハッキリして居るのは、大きなお金の解決にマリーが必要だって事なのね。セックスはチョット置いといて、もう800億を超えてるお金の処理でマリーが必要なのと似た関係が、マリーと娘たちの間を取り持って居るのよ。不思議にマリーもあの子達もお金には触れないで過ごして来れたのね。恐らく功が処理してたとは思うけど、決して功と娘たちの問題では無く成って居るのも判るのよ。まだ大学進学には触れて居ないけど、其れの元には大きなお金が要るって皆んな暗黙の内に触れない様にしてるだけなのね。ハッキリ言えるのは

       あの子達はマリーと功を一組の

       スポンサーと見て居る

と言う事なのね。皆んな若いから死ぬなんて考えないけど、仮によマリーが死んでも功が居るし、功が消えてもマリーが大金を握って居るし娘たちを放り出さない位は思ってる筈なのよ。」


    話がそれたのとは違うんだよ。遠回しにだけど僕とマリーの結びつきと、娘たちと僕の関係の原点は大きなお金が有るってのをマリーが言って呉れたんだよ。今日の所は其れだけがハッキリすれば好いんだよ。細々とした問題に踏み込んだら、何日話しても解決なんか無い筈なのさ

        お金を持ち出すって凄く厄介な

        話なんだ。其れをマリーが遠回しに

        言って呉れたし、此れって書類で

        ドウコウ云えば他人行儀に成っちゃう

        冷めた話に成っちゃうのさ。此れだけ

        しか言わないってのはマリーを含めて

        僕たち12人はお金の縁が切れない 

        のと同時に、切っても切れない関係に

        居るのをマリーが言って呉れたのだよ。