「 ディナーには鯛が出無いって言ってたでしょう。お肉が欲しいんだけど、おそらく海のお料理に成ると思うのよ。お昼は焼き肉が欲しいな。」

    其れで焼肉屋に入ったのさ。

    「 嬉しいわ。功は水曜日までは居られるのでしょう。」

    「 アレッ、其れを誰れから聞いたの。じゃあ僕の仕事も知ってるのだね。」

    「 ウフッ、娘のカンよ。功と何年付き合って来たのよ。皆んなの関心は功に向かってるのよ。皆んなが持ってる情報を寄せれば全部バレテルのよ。根津から逃げても逃げ切れる物では無いのよ。好いのよ、三日間はマリーを貸して挙げるわ。其れだったら手を組んでも好いのよ。」

    脂っぽいカルビを焼きながらコンガリした話をされたんだ。


    マリーが話を逸らすのさ。

    「 東京に帰ったらもう一軒お家を作らない。運転だってバスとは限らないでしょう。ビュイックを其処に置いといて、偶にはバスから乗り換えるってのも―――」

    大笑いされたんだ。

    「 マリーって下手ね。話を逸らすのだったら相手を怒らすのが効果が有るのよ。マリーは何時だって私たちに併せて居るでしょう。其れだと私たちのペースから外すのは難しいのよ。ホテルのディナーは海の物が多いから、焼き肉にしてって言ったのは此の辺だとウナギに成りそうだから先を言ったのに過ぎないのよ。ウナギを嫌う子が居るのよ。其れを言ったって始まらないでしょう。多勢に無勢でウナギに決まったら逆らえないから先手を打ったのよ。判った?私たちの強かなのがよ。」

    僕に言ってるのだよ。此の子達とはギリギリの付き合いをして来たんだ。話し方で何を企んでるのかはバレテルのさ。同じ様に僕の殆どもバレてるのさ。凄く遠回しに根津から離れてたのを抗議してるのさ。恐らくマリーが来なかったら言わなかったと思うんだ。マリーを責めれば僕が動くってのを知ってるのだよ。困ったと言うよりも嬉しいって受け取らなくてはなんだね。マリーには別の手で責める事に成りそうなんだ。月曜からの三日間を知られてるのだからね。娘って怖い存在なんだね。