「 10人の娘達こそマリーには貴重な女性に成るのだよ。かなりの部分、あの子達を判って来たと思うから言うのだが、彼女たちは馴染みの女性を作って居るのかな。僕には敢えて10人の他の女性とは壁を作って居るように見えるんだ。十文字を決めたのも、いろんな意見が有った中で十文字には皆の発言が有ったからだと思えるのさ。10人夫々の性格から言っても異論は有った筈なんだ。女衒の誘惑に乗ったのは彼女たちでは無くて親の筈なのさ。其れが吉原で働くのにOKしたのは、皆んなの憧れが東京で一致したからだと感じてたのさ。同じ様に根津中の3年できずなが深まったのは事実だと思うのさ。」

    「 マリーも其れは感じて居るわ。あの子達、思いのほかに固まってるのね。女の特徴としてお化粧には個性が出る筈なんだけど、十文字に入ってもお化粧には触れない様にしてる風情が有るのよ。つまり個性を出すのは髪形くらいで止めて置いて、お化粧で差が出るのを拒否してるみたいなのよ。あの年代の子としては理解できない選択に思えるのよ。」


    「 そうか、女性としては其処で個性を殺してるのが異常に見えるのだね。うーん、僕に見せる彼女たちの顔は、何処まで行っても子供の顔なんだ。根津のお風呂に入って居ても、女を見せない様に子供を強調して、じゃれるので誤魔化して居る様に感じるのさ。ソロソロお色気を見せてもと思うのに、敢えて大人を見せないのは男に好意を見せるのが仲間にひびが入るのを知ってるからだと思うのさ。普通だったら隠す筈の縮れっ毛も、わざと見せてる様に感じるのさ。まだ子供なんだってね。恐らく彼女たちだけの時には、体の全部を見せ合ってると思うのさ。おっぱいだって一人々々全部違うでしょう。広がってる子も谷を作ってる子も、隠そうとはし無いのさ。触らせはし無いけど、隠そうとも誇ろうともし無いでしょう。自然に振る舞ってるのが何と無く不自然に感じて来て居るのだよ。もう混浴はムリだってね。そろそろ個性が出始めてもとは感じてるのさ。」


    「 そうなのよ。現にこっそり相談して来る子も居るのよ。そうか、功が言うのはマリーが相談に乗れって事なのね。うーん、あの子達の仲間には話せない物が生まれて居るのね。気が着かなかったわ。女にしか話せない、いーえマリーを女として見始めて居るのね。困ったと言うか新発見だったわ。」

    やっと気が着いて呉れたのさ。仲間内にも僕にも言いたくない何かが生まれ始めてるのがね。男の僕としては精々大学選びの経済面での応援しか言えないのだよ。迷うから誰れかに相談したくなるのさ。其れをマリーが受け止めて呉れるのから、マリー自身も変わって行く筈なんだ。此れって微妙なニュアンスが絡んで来る問題も有る筈なんだ。女同士でね。今までのマリーには其れが欠けて居たのさ。黒人だからってのがマリーの中では女同士の心のやり取りを押しのけて居たのが大きかったのさ。其れを男の僕からは言えないでしょう。あの子達との関係が永遠に続くとは思えないよ。だけど今彼女の方から接近して来てるとしたら、マリーが受け止めて挙げられる様に、女の扉を開くのが大事なのさ。其処に持って行くのは少しだけならやり方を知ってるのだよ。