「 明日の入学式は大荒れに成るだろうな。マリーの事だから対策は立ててるのだろうな。」

    「 あら、荒れるって何方がお決めに成るのかしら。断って置きますが、娘たちの十文字は入学式っての365×3の一日の出来事ですのよ。

    お聞きに成りたいのなら教えても好いわ。マリーは理事長として出席するだけですのよ。何が有っても夜中の12時で一日は終わりますのよ。其れからお暇な方が何を為さろうと、大方の方は無関心なのよ。暴れるったって精々火を着ける位しか出来ませんのよ。此れがアメリカだったら違う対応も必要に成って来るのね。東京の巣鴨だったら、和田組の若い衆が工事を続けて居れば其れに逆らう勢力なんか居ませんのよ。人が殺されても火が着けられても消えるのは十文字の校舎なのよ。娘達には此れを渡して有るのよ。アメリカ軍が使って居るスタンガンよ。威力は抜群ですからショットガンだって10個のスタンガンには敵わないのよ。登別でテスト済みなの。牛で試させたら、一発でコロッと倒れちゃったのよ。今の子たちはオモチャのガンでは納得し無いのよ。本物って慣れるのが大事なのよ。まあ見て居らっしゃい。ヒョットするとあの子達、もっと先を考えてるかも知れませんのよ。マリーとしたら何が起きても後ろに功が待ってると思うのが一番の強みなのよ。」

    煽ても抜かり無いのさ。張り切りだしたマリーとは騙し合いも必要なんだ。マリーとの騙し合いって、刺激剤の一種なんだ。突っ掛ったり交わしたりのスポーツがお互いを若く保つ秘訣なんだよ。テニスを遣るのでも無いしゴルフなんて只歩き回る――――失礼、小平のゴルフ場の会員権は数億だってね。マリーも僕も入れて貰えないから言葉でケナシテルだけなのさ。何にでもトップとビリが有るそうだけど、僕はどっちでも構わないのさ。僕が知ってる限りではマリーのバルブはピカいちだね。僕だって其れにピッタリだから、二人はかなり上位に居る筈なんだ。


    そうそう、十文字の入学式だったね。土曜日だから仕事の手は外せないでしょう。サラブレットのトロットに目を凝らして居る時は、100分の何秒かが勝負なんだ。蹄鉄の緩みを見つけるのには4本足のバランスにも注意しなければに成るのだよ。とてもじゃ無いが十文字なんか頭の隅にも残って居ないのさ。結末を聞くのは日曜の夜遅くなってからなのさ。マリーが酔っぱらって来た時は、祝い酒が過ぎたのに決まってるでしょう。戸田の小屋に倒れ込んで眠っちゃうから、スキャンティーを脱がすのに一汗かくのだよ。

       なんで脱がすのだ?

其処まで言わなければ判らないのかい。此のトウヘンボクめ。


    入学式で何が有ったのかを聞きたいだって?

其れを聞くのは娘たちの結婚式で、ゴムの用意が有るのを聞くのと同じアホなんだよ。古風なおっかさんは、娘に匂い袋を持たすんだってさ。其れんなの使わなくても彼が栗の花で応えて呉れるよ。なに、

        腋臭がきついから、セメテモノ親心

だって?アホとチヤうのかな。現代医学はチャンと健康保険適用で、其の始末をして呉れてるのだよ。匂い袋なんか見せびらかすと苛めの対象にされるのも知らないのだね。今の時代を勉強し直すのを勧めるよ。