語らざる 悲しみもてる 人あらむ 
           母国は青き 梅実る頃

   英国にて元捕虜の激しき抗議を受けしより、
   かつて「虜囚」の身となりしわが国人の上も
   しきりに思はれて

 これは、皇后陛下の御歌である。
 平成十年五月、天皇皇后両陛下は、英国を御訪問された。
 その時、沿道に日本軍の捕虜であった元イギリス軍老兵士が立ち並び、抗議のプラカードを掲げ尻を向けて両陛下を出迎えた。
 この時に、皇后陛下は、抗議をするイギリスの老兵を眺められながら、イギリス軍の虜囚となった元日本軍兵士のことを思われていたのだった。
 
 他方、わが国内では、何を思っていたのか。
 橋本総理が、イギリスの大衆紙SUNに日本軍の「蛮行」を謝る謝罪文を寄稿していた。
 イギリスからそのSUNを取り寄せると、次の通りの大見出しがあった。
「Japan Says Sorry To The SUN」(日本は、サンにごめんなさい、と言った)
 そして、その裏ページ一杯には裸の女の子のカラー写真があり「私は食べ頃よ(Dishy)」と書いてあった。

 この情けなさ、今も心に甦る。
 
 私は、ビルマでイギリス軍の虜囚となった会田雄次氏の実体験を書いた「アーロン収容所」を引用して、ここまでわが虜囚はイギリス軍から残虐なことをされ続けたのに、何故、それを無視してイギリスに謝るのか、と予算委員会で総理大臣に質した。
 会田氏が書いていた二つの例を挙げた。



以下、西村眞悟HP内「眞悟の時事通信」にて。
http://www.n-shingo.com/cgibin/msgboard/msgboard.cgi?page=982