昨日七月二十六日早朝、舞鶴に行き、海上自衛隊の洋上における訓練展示を見学した。
 政治家が、沖縄、尖閣防衛、また、シーレーン防衛を訴えるなら、それを現場で現実に担う海軍が、如何に訓練を継続しているかを実感し、また、一人一人の隊員の素顔に接することも重要である。
 
 乗船した船は、護衛艦「あしがら」(7750トン)で、埠頭から見上げると星三つの旗が掲げられていたので総監が乗っていることが分かった。
 参加艦艇や航空機は、二年前の東日本大震災の被災地沖に急行して初期の海からの救助・救援活動に対処しソマリヤ沖アデン湾での海賊対処行動を遂行してきた。
 また、最近、1200キロ東方の西太平洋に於いて、遭難者二人を高い波の中に着水して収容し、戻ってくるという世界が驚いた任務を果たした救難飛行艇USー2の着水と離陸も展示された。
 
「ネイビーシールズ」とはこいつ等か、と思って観たのが、船外機で動く小型のゴムボートに乗り組み、高速で「あしがら」の横を後方から手を振りながら追い越していった面々である。
 アメリカ海軍に特殊部隊(ネイビーシールズ)があるが、我が海軍も「海の特殊部隊」を持っている。

 展示の前後に、「あしがら」の艦内を案内してもらった。艦内は見事に整理整頓されている。そして、先任伍長に会えた。現在の階級で言えば海曹長である。
 先任伍長とは帝国海軍以来の名称で実質上の船の主である。彼によって船が動く。下士官室に入り込んでコーヒーを頂いた。
 
 「あしがら」には三百名の隊員が乗り込んでいる。
 二十歳代の若い水兵達は、皆引き締まった体で任務をこなし、明るく礼儀正しい。もちろん座っている兵隊など一人もいない。
 彼らの一人と話をし、別れるとき、「いつ何時、東シナ海海域に急行せよ、という事態になるかもしれない、しっかりやってくれ、武運を祈る」と言って握手した。
 
  全体としての感想。
 整然たる艦隊運動の練度は、今でも日本海軍が世界一ではないか。
 イージス艦の増強と強襲揚陸艦そして空母機動部隊が欲しい。