おはようございます。
一昨日の「スッキリ」卒業以降、このブログにも、Facebookにも、メールにも、LINEにも、または直接、たくさんの温かいお言葉をいただきまして、ありがとうございます。
いただいたメッセージを拝見していると、仕事仲間や視聴者のみなさま、友人たちなどから、私の仕事がみなさまにどのように映っていたのかを、様々に知ることが出来ました。
また、卒業当日は、このブログに 11,151 ものアクセスをいただき、また、初めましての方からも、メッセージをいただくなど、番組を見てくださっている方々の存在を、あらためて実感させていただきました。
スッキリをご覧いただき、また、卒業を知って名前を検索してくださり、本当にありがとうございます。
私が約11年務めてきた、リポーターという仕事。
どのようなことをやっているのか、アナウンサーとどう違うのか、リポートに台本はあるの? どこまで自分でやっているの? など、あまり実態が知られていません。
時々、どうしたらリポーターになれますか?
どうやってリポーターになったのですか?
というご質問もいただくので、
私の考える「リポーター」とは、を、お伝えしていきます。
(番組を離れたからこそお話しできることもありますしね)
まずは概要から。
リポーターには、芸能リポーターのように専門分野に特化したリポーターもいますし、私のように、様々なニュースや情報を何でも担当するリポーターもいます。
伝える内容が何であれ、基本は、
「取材をして伝える」仕事です。
私がこれまでスッキリで担当したジャンルをざっと挙げますと、
・事件
・事故
・自然災害
・芸能
・婚礼
・葬儀
・医療
・制度
・スポーツ
・料理
・ファッション
・アトラクション
・観光
・交通
・天気
・動植物
・政治
・音楽
・文化
つまり、スッキリの視聴者層のみなさまにとって興味がありそうなジャンルや、知っておいていただきたいニュース・情報、であれば、あらゆるジャンルが対象となります。
スッキリにはリポーターが4人いましたので、それぞれの得意分野や、スケジュールのやり繰りによっても担当が変わってきますが、
芸能人の薬物使用のニュースを担当した翌日に、医療過誤を担当し、その翌日には台風取材で大雨に打たれる、というような感じで、基本は何にでも対応していかなければなりません。
しかも、月曜から金曜日の毎日放送していますので、今日起きたことを明日放送する、という、とても限られた時間内で、調べ、取材し、放送しなくてはなりませんでした。
そして、そのニュースが何時に発生するのか、あらかじめわかっているわけではないので、いつでも出動できる状態でいることが求められます。
ちなみに私の平日のスケジュールは、このような感じです。
《ネタ担当→スタジオ出演有りの場合》
ネタ決定 出動
情報収集(報道局、関連管轄、現地状況など)
しながら現場へ移動(範囲は日本全国)
聞き込み、リポート、関係各所聞き取り
最終便で局戻り
取材報告、情報共有擦り合わせ、放送内容絞り込み
スタジオ出し物原案出し(地図・モニター・出し物など)
自身の疑問をクリアにするための情報整理と調べもの
一旦帰宅
出社 台本・VTR・出し物の内容確認、修正、調整
出演者打ち合わせ
スタジオ入り 出し物の最終確認
VTR中 MC コメンテーターからの質疑応答・確認事項
スタジオ中 プレゼンテーション(説明・質疑応答)
反省会
という感じです。
基本は、ネタを担当すると翌朝のスタジオがありましたので、沖縄に行っても、北海道に行っても、帰ってこられる手段があれば、当日の最終便が取材のリミット時刻となりました。
状況によっては、現地宿泊して翌日中継する場合もあります。
このような限られた時間の中で取材をしながら、スッキリを観てくださる方に興味を持っていただくには、どのような切り口がいいのか、どのようにお伝えすれば、初めて聞いたことを理解しやすくなるのか、などを試行錯誤しながら絞り込んでいき、形にしていくのです。
なんとなくイメージしていただけるでしょうか。
私自身に専門性があるわけではないので、担当する内容については、全てゼロから調べ、理解していかなくてはなりません。
医療や、制度の変更などは、複雑な内容が多くありましたので、専門家の方にご協力いただきながら、膨大な情報量を一夜漬けし、整理し、目線を付け、発信する、の繰り返しでした。
私は、情報を理解するのにとても時間がかかります。
記憶が苦手、ということもありますけれど、ネタに関連することを辿っていくと、調べたておきたい範囲がどんどん広がってしまうため、それをした後に情報整理するのにも時間がかかるためです。
情報の概要が理解できていれば大丈夫、というものもあります。
けれど、全ての疑問を解決してからでないと、私は怖くてスタジオに立つことができませんでした。
MCやコメンテーターが疑問に思うことは、視聴者のみなさまも疑問に思われること。
それに答えられないのでは、担当する責任が果たせない、という恐怖です。
番組にいる間は、怖い、なんて言えませんでした。
この情報については何を聞いても大丈夫なんだね、と安心していただくことが、とても重要で、信用に繋がることだったからです。
そして、情報に集中していただきたい、という思いから、服装もシンプルに、地味な色合いで、と、自分の印象を極力薄くすることを課していました。(元々薄めではありますが・・・)
さらには実家の家族にも、もし私の親族が交通事故を起こして、相手の方が亡くなってしまうようなことがあったら、私はこの仕事を続けていけなくなるって、自覚してね、とまでお願いしていました。心配をかけましたね。
番組を離れた今、つくづく思います。
100%の「おおやけ」スイッチを、中身も外身もがっつり入れておかないと不安で仕方なかったのだなと。
これからは、すぐに反応できるように緊張のスイッチを入れ続けておかなくてよくなります。
髪の色を少し明るくしても、ピンクの口紅をしても、マニキュアをして、明るい色の服を着てもいいのです。
私は、番組を離れて寂しい気持ちもありながら、緊張から解放されてホッとした気持ちも感じています。そもそもの私ってどんな格好がしたい人なんだっけ、とか、トイレにまで携帯を持ち込んで待機しなくてもいいんだ、とか、ね。
今後は、もう少し具体的に、情報収集の仕方や、整理の仕方、伝える時に何を考えていたかなどを、お伝えしていきます。
この仕事に興味をお持ちの方も、テレビを観ていて引っかかることがある、という方も、内側はこうなっているんだな、と感じていただけましたら嬉しいです。
お読みいただきまして、ありがとうございます。